誰がログ

歯切れが悪いのは仕様です。

専門家としてブログとどう付き合うか(今の方針)

追記(2019/01/08)

なんだか内容と合ってない気がしたのでタイトル変更しました。

はじめに

途中ではてなブログへの移行があり名前も変えてしまいましたが,このブログ(元はてなダイアリー)もそろそろ15年目を迎えます。

dlit.hatenadiary.com

下記の記事を読んだこともあって,さいきんのブログに対するスタンスを簡単にまとめておきたいと思います。

president.jp

仕事(大学教員・研究)の営業みたいな

Amazonアソシエイトは利用していますが,基本的にブログで儲けることは考えていません。アフィリエイトの収入は,はてなブログProの料金をカバーできればぐらいの気持ちで使っていて実際カバーできているかは微妙なところです。はてなブログをProにしているのは,広告を外した方が少しでも記事が読みやすくなるのではないかと考えているからです。自分で自分の記事を読み返すこともけっこうあるのですが,やはり広告は少ない方が読みやすいと感じます。

特に博士号取得後大学教員になってから(非常勤時代を含む)は,ブログに専門(言語学・日本語学)の話題について書くことが一種の営業活動にもなることを意識しています。また,自身の所属大学や組織のことについて書くつもりはあまりないのですが,大学や大学教員について実際に携わっている人から見えていることを書くのも一種の営業活動ではないかと考えています。

もちろん,営業活動が逆効果というかマイナスの結果につながることも考慮していて,心配な時は記事を書くのを途中でやめたりすることもたまにあるのですが,できる限り誠実に正確に自身の分野のことを書くことが結局は自分を含め多くの人にとって良いのではないかというのがここさいきんの基本的な方針になっています。

「営業」の対象として考えている人はかなり広範囲にわたっていて,業界の外側にいる人全員がそうだろと言われればまあそうなのですが,1) これから大学に入ってきて言語学や日本語学に触れる可能性のある人,や,2) 大学に入る予定はないけれど言語学や日本語学に興味のある人,だけでなく,3) 他分野の研究者や大学教員,4) 言語学が専門だが日本語の研究についてはそれほど詳しくない人,も読むことも具体的に意識しています。なぜかというと,実際にそういう方々から「読んでるよ」と言われることが意外に多かったからです。さいきんはTwitterでそういう方々の反応を見られるということもありますね。確かに,私も自分の専門でない分野のブログ記事を読むのは好きですしそういうブログ・記事の存在は助かります

また,5) 同分野の研究者・大学教員や大学院生,にもけっこう読んでいただいているようで,そういう方々向けには自分が関わった書籍や論文の宣伝等を除いてあまり「営業」という意識はないのですが,「こんなことについてこういう記事を書いて公開するとこんな反応があるよ」という例示になっていると嬉しいなと思います。あまり記事を書かない割に(書かないから?)長く続けてきた分webでもそれなりに色々な経験をしましたので,まだしばらくは人柱として耐えられると思います。

収入もないのによく続けられるねと思われるかもしれませんが(時にはかなり文献を調べたり読んだりすることも),ここまで書いたようにこういう広い意味での営業活動は意外と重要だと思います。「あいつら何やってるかよく分からない」というのは「あいつら嫌い」より怖いのではないでしょうか。あと,国立大学に勤務して研究や教育を行っているので,雀の涙ほどでも「社会への還元」にもなっているといいなという思いもあります。

本を紹介する

前にも書いたことがあると思うのですが,自分の専門に関わるトピックで良い本があるのに探している人にすら知られていないということがそれなりにあるようで,そのたびにもったいないと思ってしまいます。

研究分野としては本が売れる・知られるということは非常に重要だと思いますので,自分が関わっているかどうかは関係なく,できる範囲で本の紹介をすることにしています。「しっかり調べてから」ということを徹底しすぎると私の場合記事を書けなくなってしまいますので,断片的なものも多いですがよろしければ下記のまとめなどご覧下さい。このまとめ,実はちゃんと更新しています。

dlit.hatenadiary.com

この方針は今後も継続します。私は専門の本に関しては「これは読んじゃダメ・読まなくても良い」という情報も(特に非専門家にとっては)重要だと考えていますので,時にネガティブな言及の仕方をすることもあります。ただこれは書き方とか難しいですね。

そのほか

これも定期的に書いていることですが,もちろん承認欲求のために書いているというところはあります。1度で良いから被ブクマ1,000超えの記事を書くことを密かな目標にしているのですが,今のところどうすれば実現できるのか見当もつきませんね(今のところ最高でも400に届かないぐらい)。

ただ,これまでの経験から「自分の専門分野のことについてきちんと書いた記事に反響が多い」というケースが一番嬉しいということが分かっていますので,きちんと書いた結果として承認欲求が満たされるというのを目指したいところです。きちんと調べたり書いたものほど読まれなかったりしてなかなか難しいんですけどね。

媒体に関しては,Twitterにもそれなりにいろいろ書きますが,やはり専門のことについて書こうとするとブログが良いです。というか,Twitterをある程度やったことでブログの重要性に気付きました。noteとかもいちおうアカウントだけは取っているのですが,しばらくはこのブログをメインに活動を続けるつもりです。

今後も歯切れが悪いのは変わらないと思いますが,よろしければ引き続きよろしくお願いします。

使い続けている/やめてしまったサービス・サブスクリプション

年末に書いた下記の記事が思いのほか長く読んでもらって嬉しかったので調子に乗って書きます。Grammarlyについては,この記事にそこそこ詳しく使用感を書きました。そのほかについて詳しいレビューを書くかは未定です。

dlit.hatenadiary.com

現在基本的な方針として,継続してほしい,応援したいサービスはできる範囲で有料プランを使うというのがあります。よく使うサービスが終了すると,移行にたいへんな手間と時間がかかるという体験を何度かしたからというのが大きいです。

おしごと周り

使っている:Grammarly

英文の語彙や文法,表現等をリアルタイムでチェックしてくれるサービスです。専用エディタ,プラグイン,ブラウザの拡張機能等,ツールも充実している。プレミアムは135.95アメリカドル/年。

www.grammarly.com

使っている:ATOK Passport

MacやiPadだけでなくおしごとの関係上Windows環境もまだ手放せない(特に一太郎)ということもあって,辞書等の同期ができるATOK Syncが手放せません。あと日本語の研究をしているのでATOKに触れているとおもしろいということもあります。6,000円/年でプレミアムを使っていますが,ベーシックプランもあり。

www.justmyshop.com

使っている:Dropbox

かなり初期から使い続けているということもあるのですが,データの保存だけでなく,各種アプリのデバイス間の同期等でも外せない存在です。私の生活・研究だと2TBは正直持て余すぐらいなのですが,無料プランだとぜんぜん足りないのでPlus(年払いにすると9.99アメリカドル/月)で使ってます。

www.dropbox.com

共有機能は,学生とのやりとりにも重宝しています。

dlit.hatenadiary.com

使っている:Evernote

さいきん,メモはQuiver,文章の下書きはScrivenerに移行したのでほぼweb情報のクリップ専用に(むかし書いたメモは使っているものも)。クリップ機能はほかのアプリやサービスも提供していますが,連携できる環境やアプリ,サービスが多いのが便利です。応援の意味もあってプレミアム(5,200円/年)を使用。

evernote.com

使っている:OmniFocus

タスク管理サービスは放浪を続けていて,さいきんスマホをiPhoneにしたのがきっかけで使ってみることに。各アプリを購入する場合はStandard版もあるけれど,OmniFocusを使うならパースペクティブ等,Proの機能が使えた方が良いというのと,Mac, iPhone, iPadで使うのでサブスクリプションを選択しました。

www.omnigroup.com

10,800円/年とこの手のサービスとしては高価だと思いますが今のところ使い続けるつもりです。個人的なポイントとしては,1) キーボードでの操作が快適,2) パースペクティブが便利,3) タスクの一覧性とデザインのバランスが程よい,4) カレンダーとの連携,5) メール等からの登録もできる,辺りでしょうか。レビューを定期的に要求してくるのは,使う前はどうかなと思っていたのだけれど実はありがたかったりします。

他のタスク管理サービス・アプリでもできることが多いのですけれど,揃っているのは実はなかなかありませんでした。この前は2DOを比較的長く使っていて,Thingsも試してみたけれど,Thingsは繰り返しタスクの設定があまり合わず。

やめてしまった:Toodledo,Todoist

2DOの前はTodoistを有料で使っていましたが,個人的にはタスクの一覧性が低く,またそれを設定や他のアプリを使ってコントロールするのが難しくてやめてしまいました。あとタグ等でできないことはないけど開始日の設定ができる方が良かった。Toodledoも高機能な割に有料プランの値段が安いと思うけれど,(使っている当時は)メール等との連携があまり提供されていなくてやはりやめてしまいました。

やめてしまった:Roboform Everywhere

セキュリティ的にどうなんだと思いつつ,パスワード管理サービスって一回使うと楽でなかなか手放せません。特に不満があったわけではないのですが,さいきんBitwardenに移行したのでやめることに。

bitwarden.com

使っている:Pinboard

おしごと関係のオンライン(ソーシャル)ブックマークサービスははてブとは分けることにしています。ブラウザ・OSも複数使うのでSafari等のブックマークの同期だけでは補いきれず,かといってEvernoteみたいなメモ系のサービスは意外とブックマークには使いづらかったり。以前deliciousというサービスをけっこう使っていたのですけれど,買収等ゴタゴタした結果使えなくなってしまったので暫定的にPinboardを使っています。18アメリカドル/2年で支払い。

pinboard.in

でもあまり今オンラインブックマークって流行らないんですかね。確かに工夫すれば使わなくてもなんとかなりそうな気はしてしまいます。

生活?関係

使っている:みてねプレミアム

家族で子どもの写真や動画を共有。実家が遠方(沖縄)なので…プレミアムは480円/月だけれど,これはプレミアムじゃなくてもかなり便利に使えると思います。

mitene.us

使っている:コミックDAYS

あまりwebには書きませんが,マンガもけっこう好きで,こういう新しい試みは応援したいということもあり継続中です。プランはもっとプレミアムで960円/月。

comic-days.com

使っている:dマガジン

今は他のサブスクリプションでも雑誌をかなり提供していますが,dマガジンはかなり提供が早く,便利だったので応援も兼ねて継続中。むかしは金額が違ったような気がするのですが今は400円/月のようです。

magazine.dmkt-sp.jp

雑誌にはかなりおもしろい日本語の表現,言語現象が多く観察される(雑誌はおもしろい語形成の宝庫)ので,1つのサービス・アプリでさまざまな種類の雑誌をざっと見られるのは研究者としてはかなり便利。私のゼミ生は雑誌を研究対象にすることもけっこうあり,もちろんデータを取る時は個別に購入するけれど,研究トピックを探したりプレ調査の段階ではかなりお世話になっています。

使っている:WOWOW

実家でテニスを見るためにかなり早くから使っていたので,かれこれ30年近く触れ合っているのではないでしょうか。テニプリブーム,錦織ブーム,大坂ブーム等が来る前からずっとテニスの放映を支えていてくれるので,応援の気持ちもかなり入っています。そろそろまた全豪オープンが始まるのでさらに睡眠時間が…2,530円/月。ちなみに,オンデマンドサービスはかなり充実していると思う。テニスだと放送ではやらない試合も色々見られる。

www.wowow.co.jp

大人になって自分で契約して思ったのは,ドラマ関係がかなり良いということ。海外ドラマだけでなく,WOWOWオリジナルドラマはけっこうクオリティ高いのではないかと思います。あまり長くないのが多いので忙しくてもそれなりに見れますし。個人的には日本版コールドケースが良かった。ドラマきっかけで原作を読んでみたり。あと,舞台とかライブを何気なく見ていて新しい出会いがあったり。

やめてしまった:DAZN

ドコモなので月額料金少し割引になるということで主にプロ野球観戦用に試してみましたが,結局あまり使わなかったので贔屓の西武がCSでソフトバンクにやられたのを節目に解約。スポーツはある程度WOWOWで満足しているというのと,平日のプロ野球の放送時間は帰宅時間か帰宅後の育児時間でほとんど見る時間が取れないという個人的な理由が大きかったです。あと,海外出張の時に知ったんだけれど海外ではそのままでは日本の番組が見れない。むしろ海外でこそ見たかったのに…というわけで今のところ個人的にはメリットがほとんどりませんでした。

使っている:Amazon Prime

Amazon一強になってほしくないという思いもありつつ,やはり便利だしいざというときに助かったりするので使い続けています(これはサイト紹介しなくて良いですよね)。Prime Readingはほとんど使わないのですが,Prime Musicはたまに便利です。こども用にジブリ関係楽曲のジャズアレンジシリーズを流したりとか。4,900円/年。

やめてしまった:Amazon Kindle Unlimited

無料体験3ヶ月+1ヶ月だけ使ってみたのですが,ほとんど読みたい本・マンガが見つからず・探せずすぐにやめてしまいました。読みたい本やマンガがけっこうはっきりしているからなのか,そういうのを個別に購入する方が楽だと感じます。

やめてしまった:Amazon Music Unlimited

こちらも,無料体験3ヶ月+1ヶ月だけ使ってみたのですが,月額料金払うほどいろいろな音楽を聴くわけではないということに気付いてやめてしまいました。ただ竹内まりやは良かった。ジャンルやテーマごとに適当に音楽を聴きたいなら,わたしはPrime Musicでじゅうぶん満足なようです。

今,WOWOWで知ったNulbarichとヤバイTシャツ屋さんを聞くためだけにApple Musicの無料体験版も使っているのですが,また個別に購入するスタイルに戻るのではないかと思います。

ほかにもいくつかあるのですが,とりあえず今回はこの辺りで。

学生から大学教員宛てのメールについてちょっとだけ

先日こんな記事を書いたのですが,

dlit.hatenadiary.com

いただいた反応を見ていて,やっぱり「変じゃない?」ということだけ書いてじゃあどうすれば良いかっていう話を書かないと読んだ方はもやもやすると思うので,少しだけ補足を書いておきます。

メールに対する考え方

先の記事でも書きましたが,メールに対するスタンス・考え方はコミュニティや個人によってかなり違うことがあります

特に,私が個人的に話を聞いたり調べたりした範囲の話ですが,理工数系の分野では,メールに簡潔な使い方,表現が好まれることが少なくないようです。

これは,メールが手紙等の文書に比べて簡略的な連絡手段であることの現れ(たとえば,今でも時候の挨拶を省くことはかなり一般的ではないでしょうか)ではないかと思うのですが,その経緯はよく分かりません。関係があるか分かりませんが,上記で挙げた分野以外でも,コンピューターに早くからなじみのあった方はやはりそういう簡潔なメールを好む傾向にあるという印象があります。私はそこまで強い信念があるわけではないですが,その感覚自体は分かります。

今後,メールよりさらに簡略的で文体が「話しことば」的になりやすいLINEやSlack等の新しいコミュニケーション手段の登場でメールが相対的にフォーマルに位置づけられ,今までより固い文体が好まれるようになっていくというようなこともあるかもしれません。

書く方としては悩むポイントの1つになってしまう事情なのですが,自身が(あるいはメールの受け手が)所属しているコミュニティの文化がよく分からない場合は,選択できる範囲で丁寧な方の表現を使う方がコミュニケーション上のトラブルを避けられるでしょう。

これは教える方としても難しいところで,私の授業では授業でやったやり方を使って不利益が生じた場合は「文章表現の授業の教員がそう言ってた」と私のせいにして良いという話もします。いちおう今のところ苦情はないです。教職員の皆さんも学生が自身の価値観や経験をすぐに狭めてしまわないように,ある程度は寛容であってくれると嬉しいです。

検索する

さいきんは,大学教員自身がメールの書き方についての情報を公開していることがありますので,検索するというのも1つの方法です。まだ数は少ないようなので,自分がメールを送りたい相手がそういう情報を公開している可能性には期待しない方が良いと思いますが,大学(教員)に特有の事情や表現についても触れられていることがあって参考になるでしょう。たとえば,下記の松岡氏のサイトの文例では「お世話になっております」は出てきません。

user.keio.ac.jp

検索の方法としては,googleだとドメインで絞り込むのが1つのやり方でたとえば「site:ac.jp メール 書き方」のように書いて検索します。最初の「site:ac.jp」というのが検索する範囲を制限する条件指定になっています。

この方法だと単に大学や研究機関のサイトから検索してくるだけなので検索結果が必ずしも大学教員が書いたものとは限りませんし(研究室の院生や事務の方が書いているかもしれません),メールソフトの使い方のような情報も出てきますが,やったことがない方は試してみてください。ちなみに,「レポートの書き方」も同じ条件で調べると今はいろいろな情報が出てきます。さいきんだと,ツイッターにこういうことを書いている大学教員もけっこういると思うのですが,ツイッターは検索が難しいのですよね。

「お世話になっております」の代わりに

「お世話になっております」を気持ち悪いと言われてもじゃあどう書けば…という気持ちもよく分かります。かといって「こんにちは」も変な気がしますよね。

上で紹介したページの文例にもありますが,私のおすすめは最初に自己紹介を書くことです(特に定型表現のあいさつは必須ではない)。用件に合った自己紹介から始めることで,内容にスムーズに移れるという点も良いです。たとえば,

  • 【授業(レポート等)に関するメール】「○○概論」を受講している△△△△と言います。
  • 【学園祭に関するメール】学園祭実行委員の△△△△と言います。
  • 【そのほか(奨学金等)に関するメール】○○学部□□学科1年生の△△△△と言います。

「授業で話したこともあるのに自己紹介するのは変では…」と感じられるかもしれませんが,大学教員は場合によってはかなり多くの学生と接していますので,よっぽど日常的にコミュニケーションをしているような場合を除いて,自己紹介から入ってくれると助かるのではないかと思います。教室に行って顔を見れば誰か分かるけれど,メールの文面で名前だけ見ても誰だかすぐには同定できないなんてこともあるかもしれません(これも教員によって違うところです)。

そのほか

日本語が第一言語でない学生(留学生)は,メールが苦手なこともあります。さいきんはコンピューター等電子機器による日本語教育にも力が入れられていると思いますが,第二言語ではデバイスやツールが異なることによる困難さが増大されることがあるようです。

私が以前日本語の授業を担当していた時,教室内での作文(手書き)はかなりのレベルで,会話でもある程度敬語等使いながら話せるのに,メールはかなりできない学生がいて驚いたことがあります。

ほかにも,ゼミや研究会での議論や研究室での会話等のやりとりにはそれほど問題がないのに,研究室のLINEやSlack等のやりとりにはついていけなくて困っているという留学生の話も聞いたことがあります。教職員や研究室に所属している学生の皆さんは少し気にかけてもらえると嬉しいです。下記のページで紹介している「やさしい日本語」も参考にしてみてください。

dlit.hatenadiary.com

おわりに

私の授業でもメールの書き方をやりますが,テンプレの表現や文法の説明よりは「依頼」する場合に気をつけることに重点を置いています。「依頼」は実は難しい行為で,専門的な言語研究もたくさんあります。大学の学生だと,大学教員のようなふだんそれほど親しくやりとりしていない相手にも,場合によってはかなり負荷の高い依頼をしなければならないという点が難しいところですね。

メールに限らず,文章表現はテンプレで問題ないところはそれで良いと思います。たいへんなのは,テンプレをベースにちょっと変更する場合でも意外と難しかったりすることなんですよね。たとえば日本語の「依頼」では理由や状況の説明が重要な役割を持っていますので,ある程度説明する能力も求められるというような大変さもあります。テンプレから外れなければならなくなった時のために,早い段階から継続的に経験を積むことができると良いのではないでしょうか。