誰がログ

歯切れが悪いのは仕様です。

kindleの年末年始セールで開拓社の言語・文化選書+αが50%オフ(1/4(月)まで)

kindleの年末年始キャンペーンで開拓社の言語・文化選書の一部が対象になっています。完全に見逃していました。2日後の1/4日で終わってしまうそうなのですが,言語学関連で良いものがけっこうあるので興味のある方はチェックしてみてください。

www.amazon.co.jp

なお,セールの期限にはご注意ください。またこのシリーズの本がすべて50%オフになっているわけではないようですので(前回のセールでいろいろ買っておいて良かった),購入前は必ず値段(+割引率)のチェックをしてください。

追記(2020/01/03):専門書も

いくつか,開拓社の専門書もセール対象になっているのを見つけました。私はいずれもすでに紙版で持っているのですがいずれも専門性が高いので購入前に内容を確認することをおすすめします。『日本語文法ハンドブック』は入門的な位置付けになっていますが言語学の基礎的な知識やトレーニング経験がないと独力で読むのは難しいのではないかというのが私の印象です。

文法変化と言語理論

文法変化と言語理論

  • 発売日: 2019/07/01
  • メディア: Kindle版
言語の設計・発達・進化

言語の設計・発達・進化

  • 発売日: 2019/07/01
  • メディア: Kindle版

各分野の入門書

私もこのシリーズすべてに目を通しているわけではありませんので,中身を確認したことがあるものだけいくつか挙げておきます。

あまり専門知識がなくても読めるものからけっこうしっかりした専門の入門まで幅があるのですが,学部の専門の授業や大学院の授業でテキストとして使えるものもあるので,学部生,大学院生や近接領域の研究者,自身の専門でない分野の授業を担当することになっ(てしまっ)た教員の方などこの機会にどうでしょうか。

音韻論

田中伸一『日常言語に潜む音法則の世界』

日本語文法・統語論

岸本秀樹『文法現象から捉える日本語』

言語と認識

廣瀬幸生・長谷川 葉子『日本語から見た日本人』

購入予定

以下は,私が購入予定のものです。以前から購入しようと検討していたものも含まれていますが,内容を(しっかりとは)確認していないものばかりですので,あくまで参考まで

ブログは三日坊主で(も)良い

あけましておめでとうございます。

今年は実家への訪問も取り止めたんですが,寝かしつけ途中に寝落ちしたら新しい年が来ていたというなんかふつうの1日的年明けでした。

さて新年を迎えて「ブログを 毎日/定期的に/継続して 書く」という目標を立てた方もいるのではないかと思います。それも1つのやり方だと思うのですが,ブログはもっといろんな形で書かれて良いと思っているので,しばらく前から時々「ブログは三日坊主で良い」という記事を書いています。何なら記事1つだけ書いて結局続かないというのもありかと

その代わり,書いたものはできるだけ残しておいてほしいんですよね。放置でも良いんで。実際に,何年も前に数記事だけ書かれたブログの文章を読んで良かったとか助かったとなった経験があります。

しかし今はいろいろな書ける媒体,サービスがあるので「ブログ」ということばでくくるのもなんだか話が狭くなってしまう気がしてきています。ここではnoteやSNSなども含めて考えてみてください。

最初に書いた記事から引用します。

特定のブログ名やidは挙げませんが,これまで何度か,自分が好きなブログがなくなってさみしい思いをするという経験がありました
読み手としては,たとえ更新が全くなくても,ブログ(あるいはそれに限らずweb上の文章)は残しておいてくれると嬉しいです。
(中略)
もちろんブログを書く目的は様々だと思うので,間断なく定期的に書くことが重要だということもわかるのですが「書くモチベーションが記事の公開まで持続する時だけ(どんどん)書く」というのもいいのではないでしょうか。
(中略)
私が考えているのは「定期的に書く/継続する」以外のブログのやり方もあってそれもなかなか良いのではということで,定期的に書く/継続することを目標にすること自体に疑義を唱えたいということではないです。
ブログは書き続けなくてもいいので残しておいてくれると嬉しい、あるいは定期的に書かないことのすすめ - dlitの殴り書き

あと,これだけ多くの人が気軽に何か書けるというのは(色々悩ましいこともあるのですが)基本的にはとても良いことだと思うのですよね。この点についてはよければ下記の記事もどうぞ。「自分語り」も良いじゃないですか。いろんな人の体験や個人史が読めるのも(今の)webの素晴らしい特徴の1つだと思います。

現代は,webの恩恵によって,おそらく最も多くのそして多様な人々が文字を使って言語を生み出している時代ではないかと思う。少し時代を遡ると,残されている文字言語の資料は書籍,新聞,雑誌といった,文字を書くことを生業にしている人々の手によるものが多くなる。
書くこと自体に意味がある(少なくとも言語使用の記録として) - 誰がログ

こんなことを書きつつ,2020年は1年に95本もブログ記事を書いてました。これは私としては多い方です。

今年もブログを書くことのできる社会と生活が維持されると良いのですけれども。皆様もくれぐれも体調などお気を付け下さい。

いつになくポジティブになれない12月31日

例年,その年の終わりにはつらかった的なことばかり書いている気がします。だいたい原稿とか査読とか学生の論文チェックとかそのほか諸々のおしごとも一緒に年越しするからなんですが(帰省してても夜はおしごと),今年はやっぱりコロナ禍のことが大きいです。

もう一度あの苦しさを乗り越えられるか

苦しさには,(ある程度)慣れることもできるものと,知ってしまったからこそ次は耐えられないというものがあると思います。

私はおそらく幸運な方でそれほど後者の苦しさの記憶がないのですが,今年の緊急事態宣言下(特に保育園休園)時の苦しさはしばらく忘れられないものになりそうです。具体的には次の記事に少しだけ書きましたが,

dlit.hatenadiary.com

もう一度振り返ってさらに詳しく書こうという気にはとてもなりません。内容が違いすぎるので比較するのも変な気がしますが,程度だけで言えば博士論文執筆時よりもかなりひどい精神状態だったと思います。

次に同じような状況がやってきたときに今年の経験を生かせるところは色々あると思うのですが(たとえばオンライン授業の準備とか),次回がよりひどい条件下・状況だという可能性は十分ありそうですよね。次も耐えられるかな。無理そう。

どんどん人を使い潰しているのではないか

今年1年仕事回りをはじめ生活していて強く感じたことに,わたしたちはどんどん人を使い潰しているのではないかということがあります(表現としては「すり潰している」というのが個人的にはしっくりきます)。

おそらく多くの人が今実感できて危機感を抱いているのが医療関係者だと思いますが,ほかのさまざまなところで人が消耗している…よりひどいことが進行しているのではないかと。

これは特に大学の営みに教員として関わるようになってから(実は院生の頃からも少し)感じてきたことなのですが,今年はやはりコロナ禍のことがあってかなり悪化してしまったのではないでしょうか。

もちろん今のCOVID-19周りの事態がさらにひどくなるというのが最も嫌な未来ですが,仮に(ある程度)乗り越えられたとして,そのために消耗した多くの人の生命や健康は,この先大きな負荷・重荷・ディスアドバンテージになって未来のわたしたちに降りかかってくるのではないかという怖さが頭から離れません。大学関係に限っても,今後これまでの無理がたたって大きく健康を損なう人が今まで以上に出てくるということがありそうで。

緊急事態を切り抜けるのに,(できる人は)ある程度の無理やガマンは仕方ない,というのは避けられないことなのかもしれません。しかし「仕方ない」が変に積み重なることで変な道に進んでしまうこともあるのかなと思います。

こんな思考から離れられないことが,すでに精神的に参っている証なのかもしれませんが。

皆様も1年おつかれさまでした。来年は少しでも多くの人にご武運(good luck)を。

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