研究
あっという間に新年度になってしまいました。 さいきんは書く気力も湧いてこず,内容としても暗いものしか思いつかないのですが,なんとなく気持ちの区切りが付かないような気がしたのでちょっとだけ書いておきます。 言うまでもなく,ひどい1年でした。 た…
論文集『言語研究の楽しさと楽しみ―伊藤たかね先生退職記念論文集』が刊行されました。執筆者ということでいただいた手元にあるものの奥付を見ると刊行日は3月22日となっているのですが,Amazonではもう購入できるようになっていますね。 言語研究の楽しさと…
Remoを使って行われた言語学を中心にした研究イベントがあって,そこでポスター発表をした時に考えたことなどを書いておきます。 大学院の入試業務にまみれていたら終わってからあっという間に2週間以上経っていました。今年は従来の試験に加えてオンライン…
数日前に書いた日本学術会議に関する記事への補足みたいなものです。 dlit.hatenadiary.com 研究や学術のアウトリーチ活動 私が上の記事で言及した「研究や学術活動の社会との関わり方」については,かなり漠然とした表現であったために,受け取る人によって…
追記(2020/10/12) 補足記事を書きました。 dlit.hatenadiary.com はじめに 当初,この問題が出てきたときはここまで多くの人の興味を引くとはまったく予想していなかったので驚いているというのが正直なところです。そのおかげか,日本学術会議の位置付け…
はじめに MLF (Morphology and Lexicon Forum) 2020に参加して下さった皆さんありがとうございました。 www.konan-u.ac.jp はじめてのオンライン開催で運営委員も不安なところがありましたが,発表や質疑応答にそれほど大きなトラブルはなくなんとか乗り切っ…
Morphology and Lexicon Forum (MLF) 2020の開催が今週末に迫っています。プログラムはこの記事にも載せますが,各発表の要旨は下記の公式サイトからダウンロードできるファイルに載っています。なお,今回はZoomによるオンライン開催で事前申し込みが必要で…
Morphology and Lexicon Forum (MLF) 2020は(も)オンライン開催になりました。 日時:2020年9月12日(土),13日(日)(応募状況により9月13日(日)のみの開催の可能性あり) 開催方法:Zoomによるオンライン開催 研究発表応募締切:7月27日(月)23:59 …
これもいろいろなところでいろいろな分野について話題になっているのを見かけますが,日常でも用いられる語・表現と見た目が同じ(似ている)ために,かえって紛らわしくなっている専門用語というのはいろいろあります。 togetter.com 以前言語学の入門書と…
webでは定期的に見かける疑問で,実はときどき学生からも質問を受けることがあるので,自分のケースについて簡単に書いておきます。ごくたまにですが「日本語の専門家なのに記号の使い方が間違ってませんか」的なことを言われることもあります。 私自身は,…
かなり頻繁に話題になりますね。 発表者を怖気づけさせるだけのネタを広めるのやめませんか.学術の貢献に対して足を引っ張っているだけだと思います.僕は自分が勉強不足だと思うとき,その分野に素人であるとき,本当に聞き逃したか疑問なとき,基本的な定…
下記の記事で話題になっている件ですが, news.yahoo.co.jp はてブのコメントで紹介されていた2014年に書かれた関連しそうな内容の記事が面白くて,研究の話となんとなく似ているところがあるかなと思いました。 yanretro.hatenadiary.org 以下,研究(倫理…
『日本語の研究』15巻2号のエンバーゴ(猶予期間)が終わったため,公開になりました。 www.jstage.jst.go.jp 関連 dlit.hatenadiary.com
文章の長さとか 言及いただきましたので関連しそうなことを少しだけ。 interdisciplinary.hateblo.jp 私もけっこう長くてややこしい記事を書きますので,「長い」系の苦情をいただくことは少なくありません(でもさいきん少ない気がする)。私のブログの「歯…
ちょっと前に下記の記事が話題になっていましたが, www.nikkei.com これを見た時に私が真っ先に思い出した文部科学省の発表した資料があります,下記の「2040年を見据えた大学院教育のあるべき姿 ~社会を先導する人材の育成に向けた体質改善の方策~」とい…
先に断っておくと,継続して文章を書くとそのうち良いことがあるというような話ではない。定期的に書いているが,私はブログもそんなに継続しなくてもよいと考えている。 dlit.hatenablog.com さて,下記の記事の「意味はあるのか?」という問いに対しては,…
初日だけ参加してきました。プログラム等は以下から見れます。 www.nihongo-bunpo.org 今年はあまり学会に出られていなかったので,いろんな人にあいさつをして回っていました。本もいくつか関わったものが出た年だったのに出版社の方々にもあいさつできてな…
今年は偶然にも宣伝の多い年になっています。論文集『レキシコンの現代理論とその応用』が刊行されました。Amazon等でも購入可能になっています。 レキシコンの現代理論とその応用くろしお出版Amazon 収録論文は以下の通りで,くろしお出版のページから見る…
これまでも他の話題で書いたことがある気がしますが,大学(を拠点にした研究界)がある種「一般社会」から隔絶されているとか,「一般社会」では許されないような行為・人が許容されるという感覚・考え方は確かにあると思います。 https://twitter.com/Mara…
下記の記事で言及もいただきましたのでちょっとだけ。 anond.hatelabo.jp anond.hatelabo.jp ちなみに,私はどちらも未読なのでここで取り上げられている本とその書評(?)の評価などはしません。 書評の対象 ブコメにも書きましたし,この記事のツリーにも…
情報が出てからだいぶ時間が経ってしまいました。刊行が遅れたのは私が編集の業務をしっかりと実行できなかったところに起因するところが大きく,申し訳ありません。 日本語のテンス・アスペクト研究を問い直す 第1巻—「する」の世界ひつじ書房Amazon 詳細は…
すでにTwitterでは何回か宣伝しましたが,論文集『日本語統語論研究の広がり』が刊行されました。私も編者の1人で,論文も書いています。副題に「記述と理論の往還」とあるように,いわゆる「生成文法」をベースにした論文が多いですが,取り扱われている現…
研究者・大学教員の皆様におかれましては,たとえば論文や書籍,学会発表等による研究成果の発表を評価される/することについて(さいきんの状況下では)いろいろ思うところがあるのではないでしょうか。特に評価基準や研究に関する制度・文化が異なる他分…
大関洋平さんとの共同研究でやっていた日本語の二重補充 (dual suppletion)に関するWAFL 14の発表のproceedingsがMIT Working Papers in Linguistics のシリーズから公刊されました。タイトルは発表と一緒で "Dual Suppletion in Japanese" です。 mitwpl.mi…
発行は8/1となっていますが,目次が公開されたようなので宣伝しておきます。 www.jpling.gr.jp 書評の対象は下記の研究書です。目次は次のようになっています。 はじめに 理論的アプローチにおける活用研究の状況と課題 2.1. 活用の理論言語学的研究の問題点…
追記(2021/08/18) 態 (voice)や格 (case),言語類型論などの研究者である今西祐介氏による書評が公開になっています。『中動態の世界』の内容に詳しく踏み込んでいるタイプの書評ではないと思いますが,下記の私の記事に比べるといろいろな言語のいろいろ…
いわゆる「赤とんぼ」の絶滅の危険性に関する記事を見る度に書こうと思いつつ,いつも通りなかなか手が付けられなかったのでごく簡単に。 webronza.asahi.com 言語学と生き物の名前 言語学では,ある言語現象を指す際に生き物の名前が使われることがあります…
今年,40歳になります。 科研費の「若手研究」における「若手」の定義は「39歳以下」から「博士の学位取得後8年未満」に変更されましたが, www.jsps.go.jp もうどちらの基準でも若手ではなくなります。というか,実はこの3月で博士号取得からちょうど10年に…
はじめに まず,この記事は専門外の方への概説というよりは自分用の整理という性質がふだんの記事より強いです。言語学にある程度触れたことがないと論点がよく分からないと思いますがちゃんと書くのはたいへんな内容なのでご容赦下さい。 下記の記事の中で…
叱り方/叱られ方 ちょっと前にNHKの下記の「叱られ方」に関するニュースが話題になっていましたが, www3.nhk.or.jp 大学がこういうことやるのか,と暗い気持ちになりました。もっとはっきり災害対策,護身術,緊急避難のノウハウのような感じでやるならま…