誰がログ

歯切れが悪いのは仕様です。

研究

【告知】竹沢幸一先生還暦記念ワークショップ「日本語統語論研究の広がり」(3/27、筑波大学東京キャンパス)

すでにどこかで見かけた方もいるのではないかと思いますが、竹沢幸一先生還暦記念ワークショップ「日本語統語論研究の広がり―理論と記述の相互関係―」が開催されます。特に申込み等必要ありませんので、気軽に足をお運び下さい。ちなみに私も発表します。 こ…

言語学なんでも(あり)研究会で発表します(3/10、京都大学)

先日告知した下記のシンポジウムの前日に、標記の研究会を行います。 シンポジウム「日本語文法研究のフロンティア」で発表します(3/11、キャンパスプラザ京都) - 思索の海 こちらは名称からもわかるように、ゆるめの研究会を予定していますので(参加者に…

「ら抜き」の(断片的な)文献リストをちょっと更新

先日「ら抜き」関係の記事を書いたこともありまして、 2017/1/13日付毎日新聞論点「「ら抜き」言葉、多数派に」の記事に便乗してことばの規範性の話 - 誰がログ 他のお仕事で入門書的な本をざっと確認する作業があったのでついでに「ら抜き」への言及につい…

シンポジウム「日本語文法研究のフロンティア」で発表します(3/11、キャンパスプラザ京都)

国立国語研究所主催のシンポジウム「日本語文法研究のフロンティア ―形態論・意味論・統語論を中心に―」で研究発表をします。今年度は学会発表をしませんでしたのでなんだかこういう場はかなり久しぶりな感じがします。 このシンポジウムは以前刊行された以…

これまでに書いた言語学や研究に関する記事のまとめ

言語学の入門書紹介 個別のトピックに合わせた本や論文の紹介 そのほかのレビュー・感想 断片的な文献リスト おまけ1 言語学や研究について作成した教材(動画) 言語学や研究に関するノウハウの紹介 おまけ2 ほかの分野の本の感想など これまで本や論文の紹…

言語学の入門書その3(やや番外編):斎藤純男・田口善久・西村義樹(編)『明解言語学辞典』

はじめに 過去のシリーズはこちら 言語学の入門書その1:黒田龍之助『はじめての言語学』 - 思索の海 言語学の入門書その2:定延利之『日本語教育能力検定試験に合格するための言語学22』 - 思索の海 今回取り上げるのは辞典です。明解言語学辞典作者: 斎藤…

ラーメンズで言語学(2):「熱が出ちゃって」「どこから?」述語と項のお話

ブログ開設10周年記念エントリの第二弾です。第一弾はこちら dlit.hatenadiary.com 結局2016年内には書けませんでしたが、一応ブログ開設日には間に合ったということで。 ちなみにラーメンズで言語学の第一弾は dlit.hatenadiary.com 5年以上前ですね…まあこ…

【告知】形態理論研究会第3回:Homonymy & Synonymy(11/19, 早稲田)

もう今週末だよ、どうすんだよ、ということで告知です。 研究会の主旨については下記のページなどご覧下さい。 About | 形態理論研究会 第3回のテーマは標記の通りHomonymy & Synonymyです。現準備段階では両方できる気があまりしないのですが(おい) 以下…

(スランプ?)専門家として何をどこまでどんな調子で書くか

最近、こちらになかなか書けていません。そもそも特に理由がなくても平気で半年ぐらいほったらかしにするブログではあるのですが… 別館やついったーを見ている方は「やっぱり育児大変なのね」とお思いになるかもしれませんが、主な理由は仕事量の増加です。…

【宣伝】『日本語文法研究のフロンティア』という論集に動名詞の自他の形態論(+外来語)の話を書きました

こんなエントリを書いている場合ではないだろうという声があちこちから聞こえてきそうですが、Amazonにも情報が出ていたので宣伝しておきます。日本語文法研究のフロンティアくろしお出版Amazon発売日は6月1日になっていますね。5月の学会の展示販売では買え…

(非在籍者による)三原健一先生と大阪外大の思い出

日常に流されているうちにあっという間に時間が経ってしまいましたが、先週大阪大学箕面キャンパスで行われた三原健一先生の最終講義に参加してきました。三原先生のWikipediaのページはだいぶ情報が少なかったのでAmazonのリンクでもはっておきます。 http:…

【告知】形態理論研究会第2回:Zero exponence/morph(3/28, 早稲田)

第1回は告知しなかったような…どういう催しなのかということについては下記のページなどご覧下さい。 About | 形態理論研究会 第1回の雑感: 形態理論研究会第1回(Syncretism & Suppletion)雑な雑感 - dlitの殴り書き 第2回のテーマは標記の通りゼロ形態で…

紙の資料(レジュメなど)で発表する時にちょっと気をつけ(てい)ること

はじめに 私の専門の分野(言語学・日本語学)でもだいぶスライドを使った(研究)発表が増えたなという印象があるのですが、まだ紙の資料(ハンドアウト・レジュメ)を使った発表がメインという分野もけっこうあるのではないでしょうか。 以下は文章表現や…

つくば市にある「友朋堂書店」閉店

最近東京に引っ越しましたが、その前は17年近くつくばに住んでいましたし、引っ越した後も職場はつくばなので今でも関わりが深い街です。 その間、つくばも刻々変わっていて、驚いた変化というのもこれまでにいくつかあったのですが、これは衝撃でした。 つ…

プロフィールを「言語“学者”」から「言語学の研究者」に変えました

タイトルの通り、これまでプロフィールに「若輩言語学者」と書いていたのですが、「言語学の研究者」に変更しました。 理由としては、「「○○学者」と呼べるのは、(研究者の中でも)○○の分野である程度の功績を出した人」と考えている・感じている人が、思っ…

「だ」に関する論文を書きました

筑波大学の『文藝言語研究』という紀要に「モダリティ形式と「だ」の非共起」というタイトルの論文を書きました。以下からダウンロードできます。 つくばリポジトリ - モダリティ形式と「だ」の非共起 数年前にいくつかの研究会で話した内容をまとめたもので…

たまには専門の話:Bobaljik 2012の書評を書きました

はじめに いつも「このテーマは専門ではないので」という言い訳ばかりしているということもありまして、たまにはド専門に関する話でも書いてみます。 以前からついったーなどでは少し触れていたのですが、日本英語学会から出ているEnglish Linguistics 32巻1…

役割語と翻訳、「外国人」のステレオタイプに関する読み物をいくつか紹介

はじめに 下記の記事が話題になっていて気になったので、簡単な(断片的な)読書案内などしてみます。色々考えていることもあるのですが、今いろいろなものに追われまくってて詳しく書く余裕がありません… 女性の言葉を変に翻訳するのをそろそろやめてほしい…

英語の語彙は豊富(と言える)かという問いをどう考えればよいか、について補足(ちょっとだけ読書案内付き)

相転移Pさんからついったーで質問をいただいて少しだけお答えしたのだけれどさすがに適当すぎるかなと思ったので補足を少しだけ。 コトの発端やその時のやりとりについては下記のエントリでまとめてくださっています。重要な論点は出ているかなと思いますの…

日本実験言語学会第8回大会で話をします(8/8(土)、筑波大学)

日本実験言語学会第8回大会のワークショップ「形態素処理における理論研究と事象関連電位による実験のインタラクション」で形態理論と関連する実験系研究について話題提供をします。分散形態論を中心に、理論形態論、特に語彙主義 (lexicalism)周りの概説と…

日本語特殊論絡みで少しだけ

「日本語ってすごい普通よ。すっごい普通。音も形態も統語もどれもすごくよくあるもので、「極端に単純」でも「極端に複雑」でもない、何というかとても没個性的な言語です」 - Togetter なんか盛り上がっていたようなので少しだけ。本の紹介とか。前に書い…

福岡言語学会で発表しました

福岡言語学会の2015年第2回例会で発表しました。 2015 - 福岡言語学会 FLC タイトルは「愚痴命令文と命令文の構成的分析」で、以前TwiFULL札幌で発表した話をもう少し発展させたものです。発展させたといっても、記述をもう少し整理して、先行研究をそこそこ…

授業の資料公開:(日本語学における)文章研究の文献の探し方+α

はじめに 以前、ついったーで見てみたいという声を複数いただいたので公開してみます。 これは、私が筑波大学で担当している「応用言語学演習4」という授業用に作成し、実際に使用した資料に手を加えたものです。配付資料なので舌足らずなところもありますが…

言語学の入門書その2:定延利之『日本語教育能力検定試験に合格するための言語学22』

前回:言語学の入門書その1:黒田龍之助『はじめての言語学』 - 思索の海 はじめての言語学 (講談社現代新書)作者: 黒田龍之助出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/02/08メディア: Kindle版購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログを見る 前回の内容は…

移住者と(小学校での)日本語教育と方言と

はじめに 日本国内における、移住者(日本語非母語話者*1)に対する日本語教育絡みで、方言が問題になる場面について体験談を一つ書いておこうと思います。 以前から記録のために書いておこうと思いつつもうちょっと調べてからと延び延びになっていたエント…

科研費採択されました

ついったーなんかでは先に書いていましたが、サイトでも公開されたようです。引き続き、若手(B)です。 KAKEN — 研究課題をさがす | 分散形態論を用いた日本語の時・法と語性の形式的研究 (KAKENHI-PROJECT-15K16758) テーマは「分散形態論を用いた日本語の時…

科研費の報告書を公開しました

2013-2014年度の期間いただいていた科研費(若手研究(B))「屈折・派生形態論の融合のための分散形態論を用いた日本語の活用・語構成の研究」(研究代表者:田川、課題番号 25770171)の研究成果報告書のpdfファイルをResearchmapの資料公開のページにて公開…

「今だから知りたい放射線の話(きくまこ大人かふぇ)」@えるかふぇに参加してきました

行ってきました。僕にしてはけっこうこまめにメモを取ったんですが、こちらにも簡単に参加記など書いておきます。まとめられる気がしないので書き殴りです。適当に読むことをおすすめします。報告としては断片的すぎると思いますが、きっとどなたかの補足情…

【便乗】日本語の活用と「過去形」(解説なし、宣伝のみ)

どうも、ラッスンゴレライを思い出そうとしてもどうしてもあるある探検隊が出てきてしまうぐらいにはおっさんの日本語の研究者です。 さて、下記のエントリのタイトルと内容が最近自分がやっていることと近くて一瞬どきっとしてしまいました。この辺りの話、…

ネタ(?)論文「役割語としての二人称「うぬ(ら)」:ラオウとハドラー」をpdfで公開します

下記のエントリで宣伝した二人称表現「うぬ(ら)」を役割語の観点から分析したネタ(?)論文をpdfで公開します。結論はやや腰砕け感があるかもしれませんが、データを見るだけでもけっこう面白いと思います。 C87冬コミにラオウとかが使う「うぬ(ら)」を役割…