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理論のお勉強:選択しなきゃ

 帰省の飛行機の中で前に一回読んで挫折した(というか読んだけどイマイチ分からなかった)David EmbickのLinearizationに関するmsを読んだ。LinearizationといってもKayneのLCAがどーたらこーたらではなくて、ほとんど"Affixation"の厳密な形式化の話なんだけど…前回読んだ時よりかかなり理解できた(気がする)。基礎知識が増えたからなのか、その辺りのことに関する問題意識が高まったからなのかは不明。多分両方関与しているのだろう。
 自分の博論をまとめるにあたって、どうしても以下の二点に関して立場を表明しなきゃならない。

  1. Head Movementをどのように取り扱うのか
  2. SyntaxとLinear Orderの関係をどのように取り扱うのか

 まあ「自分でLCAの代案をきっちり出したる!」とか思ってるわけではなくて、そもそもこの辺りの研究に関しては色々先行研究があるのでその中から上手く立場を選べば良いのだろう…と思って勉強中なわけだが…どうしよ(^_^;
 なんかDistributed Morphologyでこの辺りの話って触れられないような気がする。まあHeidi Harleyが「Head Movementなんて無いよ!」ってちょこっと言ってたけどあれはどちらかというとChomskyとかHale & Keyserの流れをくんでる感じだったし。
 DMの最近の論文(ms)読んでてももうHead Movementは当たり前のように仮定されててLinearizationもどういうアルゴリズムを用いてSyntaxを平らにするのかっていう点に関してはスルー。もしかするとDMの人たちはかなり色んなタイプの言語の分析をしてるので、KayneのLCAみたいな綺麗過ぎる公理ではとても全てをうまく取り扱うことはできないってことではなから相手にしてないのかもしれない。
 個人的には別にHead Parameter仮定しても負けたような気分にはならないんだけど、日本語の述部の線形順序だけでもせめて構造からきちんと導いてやりたい…ホントは構造だけでやれたら綺麗なんだろうけど、多分何らかの種類のaffixationが関わってこざるをえないかな…向こうに行ったらMarantzとかとっつかまえて聞いてみたいところだ(笑)
 今日の妄想はこの辺りで。