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対照研究どうしよう…

 対照研究関係の論文を一本書くというノルマがあって、締め切りが近いです。で、今書いてるんですが…
 今までまともな対照研究ってやったことが無いのですよね*1。もちろん自分の専門と理論的立場からいって(特に形態論/音韻論関係をやってると)、結構色んな言語についても考慮に入れなければなりませんし、それなりに論文も読みます。それで、「〜語ではこうですが、日本語ではこうです。」ぐらいの意見は発表したりしますし、その裏にあるメカニズムなんかについても色々考えてはいるのですが…対照研究はやっぱり難しいと思います。
 で、今回は結構前から気になっている、というか取り組んでいる日本語の命令形と否定命令(≒禁止表現)について研究ノート的なものを書いておこうと思っています。これに関しては、Spanish, Italian, German, French, Bulgarian, Serbo-Croatian, Englishぐらいまでを射程に入れた先行研究があるのでその辺りの研究との関係とかを書ければ良いかな、と。あとは韓国語の命令形+否定命令についての面白い研究もあるので、それについても触れられれば良いなーと思ってるのですが…
 ところで前も書いたような気がしますが、こういった形態論が絡んでくる現象について見ると、日本語と韓国語ってかなり異なった体系を作ってるんじゃないかと感じることがあります。少なくとも、どちらかの言語への分析をそのまま輸入、ではなかなか難しそうなことが多いような。
 例えば韓国語の否定には述語の前に来るものと後に位置するものという二つの形式があるのですが、述語の前にくる否定形からは否定命令が作れない、といったような現象があるようです。こういったのが日本語にもあれば面白いのに…あと、否定命令をやるなら昔の日本語の方が面白かったりします。形式がいくつかあったり、「な〜そ」みたいに要素が離れたりしますからね。まあ今回はそこまで手を伸ばせないので、できる範囲で頑張りたいと思います。

*1:そういえばとりたて関係の共同研究は対照研究も入ってました(^^;まあでもあれは日本語以外の言語についてはきちんと他に専門家がいますので。