誰がログ

歯切れが悪いのは仕様です。

ネットの匿名実名論争をぼーっと眺めつつ

 なんだかすごいことする人がいるんですねえ…*1
 批判なんて、反応するべきものにはきちんと対応して、取るに足らないと思えるものはスルーすればいいんじゃないか、とか、専門分野での言論や議論を生業にしている人が素人相手に冷静に対応できないなんてなんかかっこ悪い、とか、そもそもネガティブな評価を受けたくないなら自分の意見を公表なんかしなきゃいいのに(しかもネットで)、とか思っちゃうのは僕が世間知らずだからなんですかねえ。
 以前から匿名批判は卑怯、という論法がよく理解できないのですけれど*2、こういう人たちって、学術誌の査読ってどう思ってるんでしょうね。基本的に査読は匿名で*3、場合によっては自分の意にそぐわないツッコミがたくさん付いて論文が帰ってくることもよくあると思うのですけれど、「私の論文に匿名でこんなコメントをつけるとはけしからん!名前を教えろ!」とか言って編集委員につめよったり、コメントの内容から相手が想定できたら、謝辞に「私の今回の論文のanonymous reviewerは〜だと思われる。」とか書いちゃうんでしょうか。匿名実名論争のトラブルで極端なことをやってしまう方の中には、専門的な学術誌にも論文を投稿しているような人が見受けられるのですけれど。
 ところで、ブクマコメントとかに時々、「これだから大学の講師/研究者は…」みたいなものが見受けられるのですけれど、パワハラやセクハラの可能性に細かく神経を使いつつ、仕事中に頻繁にかかってくる「マンション買いませんか?」みたいなTPOをわきまえない勧誘の電話に辟易しつつ、真面目に教育と研究に力を注いでいる大学の教官、研究者もたくさんいるので、あまり変な先入観を持ったり簡単に一般化しないであげてください*4
 ところで、上のエントリで出てくるすごいことをしたらしい人のプロフィールを見ていると、

  • 「非「科学」的な人文社会科学」(『ユリイカ』 2004年3月号)

 という記事を書いたみたいですね。このタイトル、非常に内容が気になります。ぜひ読んでみたいのですけれど、面白い内容なんでしょうか…どなたか読まれた方いらっしゃいませんかねえ。日本にいればすぐに手に入れられたのですけれど。

*1:問題の詳細が知りたい方はブクマコメントにあるいくつかのリンク先を訪ねてみて、そこから色々辿ってください。

*2:批判することを石を投げることになぞらえてる方がいらっしゃいましたが、批判、とか議論、ってそういう類が想起されるようなバトルなのかなあ…この辺りは分野や人によるところも大きいとは思いますけど。

*3:少なくともうちの関係学会は全部そうです。

*4:世の中には一生懸命真面目に働いている人もたくさんいますが、そういう人たちはよほどすごいことをしない限りメディアに登場することがなく、直接付き合いのある人にしか知られていない、というのと同じことだと思います。