誰がログ

歯切れが悪いのは仕様です。

でも…

 お年玉代わりなのか、killhiguchiさんからidコールが…しかし僕の手にはあまる話題なんですが…とりあえず、僕の判定はkillhiguchiさんの内省と基本的に同じです。で、ちょっと考えてみたことをメモ。
 状態述語でニ−ガの格配列を持つ文のニ句にも例示のデモは付かないかも、と思いました。
(1) #大学の同級生にでもタガログ語が 分かる/話せる んだろう*1
「分かる/話せる」という述語が逆接の読みと相性が良いのでそちらに引っ張られやすい、って可能性はあるかもしれません。それを考慮してもかなり悪いです。ただ、主格目的語の方に付けてもちょっと悪いかな。そもそも相性があまり良くないのか。ただ、僕の内省では結構差があります。
(2) (?)太郎にはタガログ語でも 分かる/話せる んだろう。
 もしこの内省がある程度正しいとすると、killhiguchiさんの一般化を項が二つ出てくる場合の第一項にデモが付かない(付きにくい)っていう一般化に拡張できるかな。「話せる」の第一項はもともと動作主だ、って言うこともできますが、「ニ−ガ−分かる」のニ句は動作主だとは言えないでしょうから。
 非能格動詞文の動作主にはデモが付加可能なので、少なくとも「動作主には付かない」っていう一般化はできないかな。
(3) 有名なランナーでも走るんだろう。
ということは、やっぱり「項が二つある」ってのが重要なのか…存在/所在文なんかでもやってみますかね。ただ、結構例文作るのが難しそうな気も。
 相変わらずなんでなのかについては未だアイディアがありませんが。状態述語でニ−ガの格配列を持つ文をある意味で他動的だ、と考える人にとっては嬉しい現象になる、のかも。
 すんません、killhiguchiさん、今のところこんな感じで…なんか下書きをチェックしてたら(1)もだんだん良い気がしてきた(笑)*2内省が変だったらこのエントリは無かったことにしてください…
※というわけで新年一発目はコアな文法ネタでした(^^; 僕がこのブログでこういう文法の話をするのは珍しいですね。実はこういう話が僕の専門に一番近い分野だったりします。こんなブログですが今年もよろしくお願いします。

*1:killhiguchiさんも書いていたとおり、逆接の読みならOK。

*2:文法研究ではよくあることです。