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第4回 言語学×自然言語処理合同勉強会 開催のお知らせ

 第4回 言語学×自然言語処理合同勉強会(=第18回東大・東工大合同勉強会(T2 meeting))の詳細をお知らせいたします。言語学会@日本大学の直前の金曜日ということで特に言語学関係の方々には参加しやすくなったのでは、と期待しています。前回までと会場が異なりますのでご注意ください。

  • 日時:6/17(金)17:00~20:00(日本言語学会(日本言語学会 - 日本言語学会第160回大会)の前日)
  • 場所:国立情報学研究所(交通アクセス - NIIについて - 国立情報学研究所 / National Institute of Informatics) 1208会議室
  • 発表1:阿部二郎(北海道教育大学)
    • タイトル:いわゆる「例外的格付与構文/主語から目的語への繰り上げ構文」の構造と意味
    • 概要:「山田は田中がバカだと思っている。」は「と」を介して文の中に文を再帰的に埋め込んだ構造(補文構造)をなしている。これとよく似た「山田は田中をバカだと思っている。」という文があるが、その構造は一体どうなっているのだろうか。「田中をバカだ。」という文は存在しないから、単純な補文構造とは言えない。仮に、「バカだ(と)」の部分だけが補文なのだとしてもでは「田中を」はいったいどこから来ているのか。また、この種の文は、このような統語論的パズルを提示するだけでなく意味論的にも興味深い言語現象をもたらす。このタイプの文について、研究史を概観しつつ、その構造・意味の分析に新たな提案をする。
  • 発表2:横野光(東京工業大学)
    • タイトル:名詞が核となる表現の意味解析に必要な言語資源
    • 概要:意味解析において名詞に求められる情報には,その名詞がどのようなカテゴリに属しているのかといったものや,取り得る属性とその属性値といったものがあり,例えば,前者については日本語語彙大系といった既存の言語資源が存在する.本発表では,特に名詞が核となるような表現の意味解析において,必要な情報について考察を行う.また,それらは既存の言語資源で対応できるか,新たな言語資源の構築を考えた時にどのような要件を満たすべきかなどについて議論する.

 阿部氏の発表は、言語学会の公開シンポジウム「言語におけるデキゴトの世界とモノの世界」のStephen Wright Horn氏(Oxford大学)のtalk、「日本語のいわゆる〈主語から目的語への繰り上げ構文〉」についての良いイントロにもなると思います。

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