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ポスドク?になって院生の頃にやっておけばよかったなーと思ったこと

 博士課程を卒業して三年度目です。
 最初の二年は研究員というお仕事もあったのですが、今年度は完全に非常勤講師のお仕事しか無いので、こういう場合は「ポスドク」とは言わないのかな。定義がいまいちわかっていません。
 最近、こういう時期/境遇の時にしか書けないことがいくつかあるんじゃないかとぼんやり考えています。
 ここでは、こういう状況になって初めて「ああ院生の頃にこういうことをしておけば良かった(のかなあ)」と思ったことについて書いてみます。二つだけですが。結局僕の計画性の無さを告白するだけに終わりそうですが、回顧録として。誰かの参考になるなんてことがあると嬉しいです。

短い時間に研究する方法を色々考えておく

 僕は院生の頃はどちらかというと研究したい時にまとめてガッとやるタイプでした。
 もちろん院生の頃もシンポジウムなどのイベントに関わる仕事やTA/RA、研究室の運営、バイト、…など研究以外にも色々やっていましたが、やはり研究員/非常勤講師のお仕事を始めると研究に取ることができる時間はだいぶ減った気がします。僕にとっては時間の総量が減ることより、ある程度まとまった時間がとりにくくなったことが大きな変化でした。結局、今年度からようやく「短い時間にできるだけ研究を進める」ということにだいぶ慣れることができてきたと感じています。
 その具体的な方法としては、

  1. 短い時間でもモチベーションを上げる方法を身に付ける
  2. 研究を進める具体的な手順をあらかじめ決めておく

という二つが考えられると思います。
 一つ目の方法については「今やらないとまたしばらく研究できない!」という思い自体がモチベーションにもなったりしますが、僕が意外と有用だと感じているのは2つ目の方法で、今後の研究に必要な手順、読むべき論文などをできるだけ書き出して大まかに優先付けをしておくということをしています。これだけで、ちょっと空いた時間に「研究のためにやること」を(以前よりは)すぐに選択できるようになりました。「気分がのっている時にやること」「気分がのってない時にやる/できること」もなんとなくですが分けています。
 今のところツールとしてはtoodledo, evernote, nozbeを組み合わせて使っていますが、きちんとしたGTDを勉強したわけではありません。きちんとやろうとすると三日坊主になりそうですし、優先順位付けや計画もおおまかに決めた方がフレキシブルでかえって実行しやすいように感じています。複数のツールを使っているのは単に趣味で、こういうツールを使うこと自体が僕の場合スケジュール管理をする動機付けになっているのです。
 今なんとか軌道に乗り始めているかなという感じですが、院生の頃にこういう試みをしていれば、だいぶ研究方法の基礎が固められたのではないかと後悔しています。院生の頃はこういうことは全部頭の中でやっていたのですが、授業/授業準備などの仕事も含めて全部管理するほどの許容量は全然無かったというわけです。

院生のうちからもっと授業の経験を積んでおきたかった

 これは分野やその人によって事情が全然違ってくると思うのですが、院生のうちから非常勤で授業を担当できる機会があったら、ぜひやっておくことをおすすめします。
 僕は院生のうちにそういう機会があったわけではなく、自分で公募にも応募することは無く、もしお話があっても断ってたんじゃないかな…という気さえしますが、今では院生のうちに経験しておく方が良いと考えています。
 もちろん早いうちから経験を…ということもあるのですが、院生で少ないコマ数を担当するのであれば授業準備にある程度時間を割けるでしょう*1。最初の授業はとかく授業準備に時間がかかります…
 また、院生の身分だと所属している大学の授業に教員としての勉強のために出やすいのではないかと思います。院生のうちからそういう意識を持って授業に出ている人もいるかもしれませんが、やはり一度自分で授業を担当した後ではだいぶ授業の見方が変わるのではないかな。卒業後も授業見学を受け入れてくれるということはあるでしょうけれど、所属している時の方がやりやすいのではないでしょうか。
 実は僕の卒業した筑波大学人文社会科学研究科では、大学院生が授業も部分的に担当するTA、という試みを始めていて、その試運転の年度に授業をちょっとだけ持たせてもらうという体験ができました。自分の師匠の前で文法論の授業をするという大変プレッシャーのかかるものでしたが、最初の非常勤の授業ではその経験があって本当に良かったと思ったものです。

おわりに

 なんかいつもより輪をかけてまとまりがありませんね。
 それでは皆さんも素晴らしい非常勤ライフを!

*1:博論と並行していたりするとなかなかそういうわけにもいかないでしょうが…