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歯切れが悪いのは仕様です。

C87冬コミにラオウとかが使う「うぬ(ら)」を役割語の観点から見た論考が出ます

 SJLL (Semiannual Journal of Languages and Linguistics)にヒャダイン論文以来となるfull paper (?)を投稿し、無事受理されました。

タイトルは

  • 役割語としての二人称「うぬ(ら)」:ラオウとハドラー

です。以下、「はじめに」より要旨のようなものを抜粋。

 本稿では、役割語研究の中でこれまでそれほど取り扱われてこなかった、二人称表現にも役割語として機能するものがあるという可能性について、「うぬ(ら)」をケーススタディとして取り上げ検討する。
 本稿の主張は次の通りである。A) ラオウによる二人称表現中に於ける「うぬ(ら)」の使用割合はそれほど高くなく、また『北斗の拳』の段階では「うぬ(ら)」は役割語としての位置づけがまだ明確ではない、B) 『ダイの大冒険』における「うぬ(ら)」の例を見ると、その使用は≪敵≫≪武人≫≪強者≫≪誇り高い≫といった特徴と結びつき、役割語としての性質を持つようになっている。
dlit (印刷中)「役割語としての二人称「うぬ(ら)」:ラオウとハドラー」

論旨は雑(しかもややネタ混じり)ですが、データはがんばって一つ一つ確認して数えましたので、好きな方はそちらだけ眺めても楽しめるかもしれません。あ、ちなみに最近のラオウの創作セリフネタを取り扱ったものではなく、原作を調べたっていうやつなのでその点はご了承下さい。
 冬コミ後は通販で買えるようになり、またその後しばらくしてpdfを公開することも考えていますが、売り上げに貢献していただけると嬉しいです。