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歯切れが悪いのは仕様です。

シンポジウム「日本語文法研究のフロンティア」で発表します(3/11、キャンパスプラザ京都)

 国立国語研究所主催のシンポジウム「日本語文法研究のフロンティア ―形態論・意味論・統語論を中心に―」で研究発表をします。今年度は学会発表をしませんでしたのでなんだかこういう場はかなり久しぶりな感じがします。
 このシンポジウムは以前刊行された以下の論文集に関連したものです。

日本語文法研究のフロンティア

日本語文法研究のフロンティア

 シンポジウムの概要は以下の通り。

  • 日時:2017年3月11日 (土) 10:00〜17:00
  • 会場:キャンパスプラザ京都 2階 ホール(アクセス情報
  • 発表(細かいスケジュールはリンク先をご参照下さい)
    • 田川拓海 (筑波大学)「外来語動名詞の形態統語研究に向けて―範疇,語種,形態構造―」
    • 佐々木冠 (札幌学院大学)「現代日本語における未然形」
    • 森篤嗣 (帝塚山大学)「旧 JLPT 語彙表に基づく形態素解析単位の考察」
    • 森山卓郎 (早稲田大学)「接続詞と文脈的意味をめぐって」
    • 長谷川信子 (神田外語大学)「文の機能と文の階層・サイズ ―生成文法の視点から―」
    • 中俣尚己 (京都教育大学)「日本語に潜む程度表現」
    • 天野みどり (大妻女子大学)「構文の意味派生の推進と抑制 ―テモラウ構文とテクレル構文を例に―」
    • 佐藤琢三 (学習院女子大学)「<全該当>を表す語の主観性と集合形成」

シンポジウム「日本語文法研究のフロンティア ―形態論・意味論・統語論を中心に―」 | 国立国語研究所

 そのうち公開されるかなと思いますが、私の発表の概要を載せておきます。

本発表では、現代日本語における外来語動名詞(サ変動詞)を対象にした形態統語論研究を進める上で重要な現象及び問題点の整理を行う。まず、外来語動名詞(例:スタートする)の選別の基準について検討し、基本的には漢語動名詞と同じような取り扱いが可能なことを確認した上で、1) 動詞と判別してよいかどうか、2) 自他の観点からどのような分類が可能か、の観点から外来語動名詞の具体的な分類案を提示する。次に、外来語動名詞の性質を漢語動名詞と同様のテストを用いて調べると、動名詞の統語的な性質と形態構造の複雑さが一致していないことが明らかになり、外来語動名詞を用いることによって語種と形態構造の関係性について具体的に検証できることを示す。最後に、外来語動名詞に含まれる接辞と外来語動名詞に付く接辞の振る舞いと形態論研究の可能性を紹介する。

上記論文集に書いた外来語動名詞の話の概要+論文には詳しく書けなかったこと(関連する話題、問題点・課題、今後の展望、おもしろそうな現象等)の紹介をする予定です。
 私はともかくけっこう豪華なメンバーになっていますので興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。