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歯切れが悪いのは仕様です。

日本語の文章で「,」や「.」を使うのは論文等の書式の影響

webでは定期的に見かける疑問で,実はときどき学生からも質問を受けることがあるので,自分のケースについて簡単に書いておきます。ごくたまにですが「日本語の専門家なのに記号の使い方が間違ってませんか」的なことを言われることもあります。

私自身は,さいきん日本語の文章では読点「、」の代わりにカンマ「,」を使っています。文の区切りは基本的に句点「。」にしています。私のブログを昔から読んでいただいている方は分かるかもしれませんが,以前は「、」を使っていました。

これはコンピュータ(正確にはATOK)の設定をカンマ「,」と句点「。」の組み合わせにしているためで,論文や書籍等,書式の要求が厳しい文書の作成でその組み合わせを要求されることが多かったというのが一番の原因です。

そのほかのお仕事関連の文書やメール,各種webへの投稿では基本的にそこまで書式の厳密さを要求されることが私の場合はほぼありませんから,明示的に求められやすいパターンに合わせておくと楽なのですね。

特に研究者の中には,このように論文や書籍等の要請に合わせて日本語の文章でも「,」や「.」を使っているという方がけっこういるのではないでしょうか

ではなぜ学術的な文章では日本語の文章でも「,」や「.」が使われ(てい)るのかということについては,識者の方々の解説にお任せいたします。ちなみに,出版社が同じでも編集者が違うと求められるパターンが違うこともありますし,研究分野による慣習のようなものもあるようです。

置換機能等で一括で変更するという手段ももちろんあるのですが,どうせならメモや下書きの段階でその後合わせる可能性が高い書式にしておいた方がやはり楽だと感じます。

また,私の文章でもときどき「。」ではなく「.」を使っていることがありますが,この理由もやはりデバイスの設定が主な要因です。どういうことかというと,少なくともiOS版のATOKでは「、+。」の組み合わせか「,+.」の組み合わせのどちらかしか選択できないのですね。私はiPhoneやiPadではてなブログの記事に加筆・修正することがけっこうあるので,その際に作業が少なくて済む「,+.」の組み合わせにしています。

おそらく論文等で日本語の文章でも「.」を要求される分野の方は,そのほかの文章でも「.」を使っているというような事情があるのではないかと思いますが,私が「.」を使っている理由はそれとは少し違うということですね。

そのほかの事情で「,」や「.」の使用を選択していることもあるかもしれません。そういう具体例についてもどこかで書いてもらえると嬉しいです。