過去エントリ
なんかもう僕のところではあまり論じることが無いような気がするのですが。他参考↓
もし僕のところで継続した方が良い議論があれば、このエントリのコメント欄をお使いください。
僕自身もなんか言えることがあまり無いなあ、と思っていたのですが最近のやりとりで言葉に関しての話題が出ていたので、僕が思ったところを書いておきます(コメントしたらはじかれてしまいました)。
「虚偽」の意味について
関連コメントは下記1の黒猫亭さんのコメント以降(おそらく)に出てきます。
とりあえず非常にラフにまとめると(色々な情報を切り落としているので、やりとりに参加、あるいは言及する場合は必ず元のやりとりをお読みください。)、
- 黒猫亭さんが「記述の実例を挙げられないなら、その記述は虚偽である(黒猫亭は嘘を吐いている)」を人格批判の例として提示(元コメント)
- kojitakenさんが「虚偽」は「真実でないこと」という意味を表すと主張(元コメント)
- apjさんが辞書には「虚偽」は「事実でないことを真実であるとすること」と記載されていることを指摘(元コメント)
- kojitakenさんが別の辞書には「虚偽」の意味として「真実でないこと。また、真実のように見せかけること」と記載されていることを提示(元コメント)
主要な関連事実としてはこの辺りでしょうか。
とりあえず、どの辞書が信頼性が高いのかというような議論はここでは意味が無いと思いますので省きますが、kojitakenさんの提示された「虚偽」の意味だけを見ても、「真実でないことor真実のように見せかけること」というようになっているので、(apjさんが最初に指摘した意味に加えて)2のkojitakenさんの主張した意味「も」辞書に記載されているものであるということで特に見解の相違は無いと思います。
また、その下でapjさんが指摘されているように2の段階でkojitakenさんが「「虚偽」の意味は〜”である”」ではなく、「「虚偽」を〜”の意味で用いた”」と主張していれば4でkojitakenさんが提示された辞書の事実と合わせて三人の単語の意味の解釈の相違に関するずれが調整されてこの点に関する議論は終わりだと思うのですがいかがでしょうか。どちらが「正しい意味か」というのは不毛な議論になりますし、どちらが「一般的か」というのを決めるのも大変な上、現時点ではあまり必要無いと思うのですが*1。
それで、ここからはある種個人的な話なのですが、その前後にあるロジックについての話がよくわかりません。特に、kojitakenさんの
「AならBまたはC」というのは、「AかつC」と「Aかつ非C」の両方を許容しているんです。
「「予言成就」コメント欄の続き」コメント欄の続き - 思索の海
から始まる議論が何度読んでもいまいちぴんときません。僕の引っかかっているところは次の二つです。
- なぜ条件法が出てきたのか
- A, B, Cには具体的にどのような命題が入るのか
これは単純に僕の読解力不足のような気もするので、もしわかる方がいらしたら気が向いたらでいいので解説していただけると嬉しいです。僕ももう何度か読み返してみますけれども。せめて2がわかればなんとかなりそうなのですけれど。
他にも「AならBまたはC」のスコープの解釈は「A→(B∨C)」で良いのかな、とか*2自然言語の条件表現は双条件法に解釈されることもあるんだけどこの場合はロジックの話らしいから通常の条件法の解釈で良いのかな、とかいくつか疑問はあるのですけれど、上の疑問が解ければこの辺りは自然にわかるような気がします。
というか、上にも書きましたし繰り返しになるのですが、
「『虚偽』という言葉に、『嘘つき』という意味なんか込めていないという」私の主張
「「予言成就」コメント欄の続き」コメント欄の続き - 思索の海
とありますが、まさに「『虚偽』という言葉に、『嘘つき』という意味なんか込めていない」と(明示的に)主張していれば、そこでapjさんが「私は「嘘つき」という意味で取りましたし、実際辞書にもそのように載っていますが」と指摘しても、「でも別の辞書にはこうありますけど」→「なるほど了解しました」で話が終わるはずだと思うのですが。
あと、「人文・社会科学における主張と文脈の話」に関しても一応人文系の研究者の末席にいるものとしては何か書いておくかな、と思ったのですけれど、ちょっと長くなりましたのでとりあえずこの辺りで。