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歯切れが悪いのは仕様です。

コンテンポラリーバレエとパウル・クレー

ここさいきん縁あってバレエを見る機会があり、コンテンポラリーバレエを見ている時間が嫌いではないことに気付いた。

なにか分かるとかそういうことではない。だいたいバレエについてはほとんど素人だ。

確かに、テーマとの関連が感じられることもあるし、個々の身体の動かし方に目を奪われることもある。テレビだと前後に簡単な解説が付くようなこともあり、そういうのを聞いているのも楽しい。しかしおそらくただ見ているのが良いのだ。

思うに、特になににも考えを巡らせずに鑑賞できる時間というのが好きなのだと思う。

どうも身の周りのあらゆることについてついなにかを考えてしまうくせがあり、こういう時間を与えてくれるものは意外と少ない。

私にとってそういう位置付けにあるものの1つに、パウル・クレーの絵がある。

アイコンなどにはいわゆる天使シリーズのものを使ったりしている(していた)が、実は抽象性の高い(といって良いのだろうか)作品が好きである。というか、そういう作品の前に立って見ている時間が好きだ。

別に作品のテーマについて考えたり、解釈や解説を読んだり聞いたりするのが嫌いというわけではない。それはそれで楽しい。

このことに気付いたのは、コンテンポラリーバレエについてポジティブな評価を述べた際に理由を聞かれて答えに窮してしまったことがきっかけである。なんとなく良い時間だったという感じで答え方が難しい。

パウル・クレーの絵についても好きな理由を答えるのが難しい(というかその後の会話が続かない)のでふだんはあまり自分から話題に出すことはなかったりする。

なにも考えなくて良い時間を持てることは素敵なことだ。