誰がログ

歯切れが悪いのは仕様です。

はてブのカテゴリー変更禁止・再判定の体験とブログの書き手として思うこと

体験

 昨日書いた記事

dlit.hatenadiary.com

のはてブのカテゴリーが最初「暮らし」になっていたので「学び」に変更しようとして気付いたのですが,そもそも変更自体できなくなったのですね。

www.zubora-hana.com

 私は自分で書いた記事についてしかカテゴリーを変更せず,さいきんほとんど書いてなかったので気付いていませんでした。
 で,上記の記事については3ブクマぐらいまでは「暮らし」だったのですが,1桁ブクマ数のうちに「学び」に再判定されていました。今でも「学び」のままのようです。
 今回はすんなり希望通りになりましたし,私がこれまでやってきた変更のほとんどは何かのカテゴリーから「学び」にするというものなので,これからもうまく判定が機能すれば良いのですけれど。

勝手な希望

 編集合戦のことを考えると,変更自体制限するというやり方は分かります。
 一方で,ブログの書き手としては自分が書いた記事のカテゴリーが変更できないのはもどかしい気持ちもあります。
 たとえば,その記事を書いた人だけはてブのカテゴリーを変更できるというようなやり方は難しいでしょうか。少なくともはてなのサービスであればアカウントで判別できそうですがそこまでするほどの利点はないですかね。もちろんいろんなサービス・ブログに対して適用できるのが良いと思います。

事象名詞としての「全裸」

 Yahooマップのアプリに備わっている防犯マップ機能を使ってみて気になったのですが,下記のように「全裸が発生しました」という表現が現れることがあります。

警視庁によると、14日午前0時10分ごろ、品川区小山台2丁目の公園内で若い男性による全裸が発生しました
(東京)品川区小山台2丁目で全裸 9月14日未明 | 日本不審者情報センター - This kiji is

「全裸」はもともとは状態 (state)を表す名詞だと思うのですが,この表現はけっこうインパクトがありました。私の感覚ではこういうのも「パワーワード」感があります。 dlit.hatenadiary.com これをきっかけに?「風呂上がりに全裸するのはやめなさい」のように「全裸」が事象名詞 (event nominal)として用いられる未来が来るのでしょうか。

なぜこうなるのか

 この「日本不審者情報センター」が提供している情報はネットの一部で「ネタ」的に取り上げられることもあるので,目にしたことがある方もいるのではないでしょうか。

ちなみに,Twitterのツイート部分ではこのような表現は使われていないようです。

 真っ先に思いつく要因は,「〜が発生しました」という定型表現を無理矢理「全裸」にも当てはめたために起こったのではないかというものです。
 他の例を見ていると,「つきまとい」「声かけ」「暴行」「のぞき」「盗撮」等でもそうなので,可能性は高そうです。「下半身露出」にも「発生しました」が使われていて,「全裸」に近いケースに感じます。
 ただ,動物(クマ,サル,イノシシ等)の出没については一律「〜が出没しました」が使われているようです。ちょっと残念。

仙台市によると、23日午前1時50分ごろ、仙台市太白区秋保町長袋大原にクマが出没しました。
(宮城)仙台市太白区秋保町長袋大原でクマ出没 9月23日未明 | 危険動物ニュース - This kiji is

他にもいろいろなケースがあるようなので,気になる方は上記サイトのweb版を見てみてください。一覧になっていて検索もしやすいです。

事象名詞と関連文献

 さて,最初は上にも少し書いたように事象名詞 (event nominal)の観点からネタにしようかなと思ってGrimshaw (1990)や影山 (1993)の紹介を考えていたのですが,

Argument Structure (Linguistic Inquiry Monographs)

Argument Structure (Linguistic Inquiry Monographs)

文法と語形成 (日本語研究叢書 (第2期第4巻))

文法と語形成 (日本語研究叢書 (第2期第4巻))

「〜が発生する」という表現は事象名詞全般ではなく「事件」「事故」「自然現象」などと特に共起するようなのでここでは特に細かい専門的な話はしないことにしました。
 言語学徒,あるいは哲学徒でDavidosonianの方の解説を期待しましょう。
 ちなみに,言語学や日本語学を(特に和文文献で)勉強している方は,井川壽子 (2012)『イベント意味論と日英語の構文』が日本語で事象意味論 (event semantics)の解説が読める非常に貴重な文献なのでおすすめです。

イベント意味論と日英語の構文

イベント意味論と日英語の構文

thetic/categorical judgementの話も日本語で読めるのはけっこう貴重ですかね。初学者にはちょっときついかもしれませんが研究書としても面白いです。

日本英語学会第36回大会シンポジウムで発表します(横浜国立大学,2018/11/24-25)

 発表要旨が公開されたようですね。

 2日目のシンポジウム「言語理論における形態論の「分散」をめぐる諸問題」で「ゼロ形態とその削減について」というタイトルで発表します。生成文法と分散形態論をテーマにしたシンポジウムですが,扱う現象やトピックはけっこう幅広いと思いますので気になる方はぜひ。私は珍しく?かなり理論面に重点を置いたお話をします。
 しかし同時刻にやっているツリーバンクの方のシンポも聞きたいですね…

 以下,シンポジウムの概要です。

  • 日時:2018年11月25日(日)午後
  • 場所:横浜国立大学 E会場
  • シンポジウム「言語理論における形態論の「分散」をめぐる諸問題」
    • 「分散形態論の概要」大関洋平(早稲田大学)
    • 「複合語を伴う wh 疑問文と短縮応答について」成田広樹(東海大学)・木村博子(目白大学)
    • 「ゼロ形態とその削減について」田川拓海(筑波大学)
    • 「動詞由来複合名詞と複合形容詞について」西山國雄(茨城大学)