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歯切れが悪いのは仕様です。

Eliminating "Paradigm"

備忘録。

Inflectional Identity (Oxford Stuides In Theoretical Linguistics)

Inflectional Identity (Oxford Stuides In Theoretical Linguistics)

 

に所収の以下の論文を読んでいる。

  • Calabrese, Andrea "On absolute and contextual syncretism: Remarks on the structure of case paradigms and on how to derive them,"

 屈折(形態変化)を分析する際に「パラダイム(paradigm)」という概念をどう位置付けるかというのはtheoretical morphologyの一大トピックの一つ*1

 CalabreseはDistributed Morphologyのスタンダードな立場を採用し、パラダイムの必要性を否定する理論を提案しているわけだけど、この論文で提示されているelsewhere conditionの形式化は実はパラダイムの存在を前提にしないと成り立たないものになってしまっている(おそらく)。他の箇所については「そうそう」と頷きながら読んでいたところも結構あったので残念だ。

*1:ちなみに上記の本はパラダイム否定派が多い。Distributed Morphologyも基本的にはそう。