ハナミズキ語、すごく面白いですね。
は→はな→はなみ→はなみず→はなみずき、というように一文字ずつ足していって言葉が成立するもの.
ハナミズキ語(或いは右切り捨て可能言葉)集め|海
私はこういう言葉遊び的なものはぜんぜんセンスがあれなので、アイディア自体を思いつく方にも、探すことができる皆さんにも感服です。
さて、理屈先行かつ言語学の研究に携わっている人間だからなのか「アクセントも引き継がれてるものがあったら面白いな」ということを思いついてしまいました。でもセンス×な自分には探すの無理そう…と思っていたら、こんな素晴らしいプログラムを書いてくださった方が。
#ハナミズキ語 探しプログラムを書いてみました。
— ピジェ @xipj@mstdn.social xipj.bsky.social (@xiPJ) 2023年10月1日
リポジトリ:piijey/hanamizuki: ハナミズキ語を探せ! https://t.co/QJzSaUXrNv
結果(570語)の一覧: https://t.co/8NFIi8kyb2 https://t.co/SYqrtGq48i
というわけで、提供されているリストを見てみたら思ったよりあっさり見つかりました。「コンパクト」がその例です。ハナミズキ語にならってこれを「コンパクト語」と呼ぶことにします。
- コンパクト語:ハナミズキ語のうち、一文字足しても元の語のアクセントが継承されているもの
なお、どれがその語のアクセントなのかということの判別は時に難しいのですが、遊びの範疇ではそこまで厳しく判定しないでも良いかなーと思います。一応、多くの方が使いやすい方法をと思って『NHK日本語発音アクセント新辞典』でも調べてみました。アクセントの位置を示す表記法も同辞典に従います。
ハナミズキ語としての構成は「こ(粉/弧)→こん(紺)→コンパ→こんぱく(魂魄)→コンパクト」、それぞれのアクセントは下記のようになっています。
- こ\(が):粉/弧
- こ\ん:紺
- こ\んぱ:コンパ
- こ\んぱく:魂魄
- こ\んぱくと:コンパクト
コンパクト語はハナミズキ語の真部分集合になっていると思うので、興味のある方はハナミズキ語を考えたり探したりするついでに、探してみてはどうでしょうか。なお私は上記のリストで「コンパクト」を見つけた時点でやめてしまいましたし、そこまでも一語一語検証したわけではなく気になる奴だけピックアップして調べたので、「コンパクト」の前の部分にもあるかもしれません。
実は予想としては見つかるならぜんぶ平板型のやつかなと思っていたので意外でした。5モーラでいわゆる頭高型(最初の位置にアクセント)はあまり多くないですしね。2モーラ目に撥音入りなのがちょっとずるい?感じでしょうか。重音節無しで5モーラまでのびるものが見つかったら面白いと思います。
追記(2023-10-02)
コメントありがとうございます。
ハナミズキ語に含まれるコンパクト語も探してみよう - 誰がログb.hatena.ne.jp1音の言葉は当然1音目がアクセントなのでコンパクト語になるには全ての語頭がアクセントにならないといけない。実質コンパクトと同じ発音でなければコンパクト語になれないのでは
2023/10/02 01:56
意図が正確に汲み取れていなかったら申し訳ないのですが、アクセントがどこかに位置する起伏型だと1モーラ語(上の例だと「粉/弧」)のアクセントを引き継ぐので自動的にその後もすべて最初にアクセントがあるパターンになるという推測は適切だと思います。
ただ、1モーラ語のアクセントは一応最後にあると考えることもできるので、すべて最後にある次のようなパターンも考えられます(いわゆる尾高型)。長いのを探すのは大変なので3モーラまででやります。
- て\が:手
- てま\が:手間
- てまき\が:手巻き
こうやって並べるとなんか移動してるような感じがしちゃうかもしれませんけれど。
さらにもう1つ可能性があるのは上で平板型と呼んでいるやつです。3モーラまででやると次のような感じになります。これも前の語のアクセントを引き継いでいると考えて良いのではないでしょうか。
- ひ(が):日
- ひざ:膝
- ひざし:日差し
平板型は言わばアクセント(の位置)がないタイプなので不思議に思う人もいるかもしれませんが、一般的には日本語(標準語)のアクセントのパターンの1つとして扱われるのではないかと思います。