今日はやっと図書館に通って読んでいた科学哲学の入門書、伊勢田哲治『疑似科学と科学の哲学』
を読み終える。レビュー+ちょっと思ったことを。
まず本の感想だけど、戸田山和久が推奨してるだけあって(?)読みやすく、かつ面白い。
戸田山和久の本を読んだ後だと特に、共通点はどこなのか、相違点はどこなのかが結構はっきりわかって知識の補強にもなるし。
また、具体的な事例が豊富なのも特筆。創造科学や占星術、代替医療に関してのエピソードは単なるお話としても面白く読めるのではないだろうか。語り口は平易。非常に論理的なので言い回しが長〜いような時もあるけれど、それにあまりくどさを感じさせないのはさすが。
何より好感が持てるのは、ネタ本や参考文献をその都度丁寧に挙げていること。「そんなの当たり前だろ」とか言われそうだけど、入門書系の専門書では意外と適当なことが多い気がする。読みたい本結構出てきたけど、そういえば僕の専門は科学哲学じゃなかったと言い聞かせ、思いとどまる(笑)
哲学者の議論/論理に対する厳密さと真摯な姿勢にはいつも感心・反省させられるけれども、この本も入門書にも関わらず(だからこそか)非常に論理的に丁寧。読んでると論理式が頭に浮かぶようだ。特に隠れた前提や論理的選択肢に対する注意深さ、少しの論理の飛躍も逐一検討する点は読んでいて気持ちよかった。これも「だから当たり前じゃん」って思われるかもしれないけど、実践は結構難しいんです。専門家だって意外と論理展開に関するミスはするし。
もちろん、内容には諸手を挙げて賛成っていうわけではない。特に自然主義に対する戸田山和久との立場の違いに関しては色々考えさせられるところもある。まあ、それが僕みたいな素人にもわかるっていうのも良い本だという証拠だろう。
最近久しぶりに哲学付いてるなあ…でも、そもそもこれが僕の以前の研究(というか生活)スタイルだった。そのうち言語学で読むべきものが増えすぎちゃって哲学・数学・心理学・物理学…なんかは段々読めなくなっちゃってたんだ。そして改めて気付いたけど、やっぱり哲学好きなんだな(苦笑)
こうやって得たひらめきやモチベーションを言語学に生かせれば完璧なのだけれども。