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歯切れが悪いのは仕様です。

日本語文法学会第8回大会レビューへの感想

 いや、行ってないんですけどね(^^; 内容を見ると気になるものが多すぎて、行けてたら大暴れしてたかもしれない。そしてたしなめられたかもしれない(笑)
 というわけで、二つほど気になったレビューを紹介して勝手な感想などを書いておきます。
 まずはkillhiguchiさんのところ↓

 メインのとりたてシンポジウムの詳細な感想。「とりたて」とか「助詞」とか聞くと振り返ってしまう方はぜひ。僕の意見もコメントしてあります。
 お叱りを受けるのを承知の上で取り立て研究に関する非常に勝手な感想を書かせてもらうと、とりたて研究は専門にしてる研究者の数があまり多くない割には、各研究者間、あるいは個々の語彙に関する研究と体系的、理論的な研究の橋渡しがあまりうまく機能していないように感じることがあります。
 僕もとりたて研究にはちょっとだけ関わっている*1のだけれど、「この人のこの研究とこの人のこの研究はつながってるし、きっとコラボレイトしたら面白いよなー」と思うことが結構あって、なんかもったいない気がしているのです。いや、それぞれの研究者の苦闘や葛藤も肌で感じてはいるのですけれど…
 とりたて関係も副詞もやること山積みだよなあ。僕から見ると語形成もそうなんですけれどね。

 もう一つはひつじ書房のサイトに載っていた出版社の方の視点からの感想↓

 気になったのは後半の「あまり開かれた学会になってなかったんじゃ」という指摘です*2
 もちろん、いわゆる伝統的な日本語学以外のルーツを持つ方々が学会に参加してくれるというのは非常に意義があることだと思うのですが、学会自体が「大きく」なってしまうという点には問題もあると思うのですよね。
 例えば、晴れて生成文法、認知言語学、日本語教育などの領域からの参加者が増えたとして、結果として研究発表の会場が生成部屋、認知部屋、教育部屋、記述文法部屋…みたいに区分けされることになってしまわないかなあ、と。そうなるともうそんなに各領域間の交流とかできなくなっちゃいそうです*3
 今ぐらいの大会の規模で、参加者には色んなバックボーンを持った人がいる、ってのが結構良い感じのような気もするのですが、難しいですかねえ…
 あと、この方が指摘されてる「文法教育と文法研究のコラボレイト」に関しては、例えば同時期の日本語文法学会と日本語教育学会で同じテーマのシンポジウムを開催するとかってどうですかねえ。「先週の学会ではこの人が〜って言ってたけど、それに関してはどう思いますか」みたいな。シンポジウムって大体時間足りないですし。
 …なんか参加もお手伝いもしなかったくせに色々と勝手なことを書いてしまいました。大会関係者、発表者、参加者の方々、本当におつかれさまでしたm(_ _)m

*1:いや、実は僕の研究の中でも結構重要な位置を占めるんですけどね。専門にできるほど余裕が無いのです。

*2:参加人数が少なかったってのは初日につくば開催&台風直撃という事情も重なったのかな?とも思いましたが…

*3:言語学会と区別が付かなくなりそうですね。