誰がログ

歯切れが悪いのは仕様です。

研究の進み方についてのメモ

※研究の「進め方」ではないことにご注意ください。
 最近久しぶりにいくつかのトピックについての研究がまとめて進んだので記念にメモ。あと、以下の内容はオススメ、とかコツなどではなくてあくまで個人的嗜好のようなものだと考えています。
 飽きっぽい性格ということもあって*1、一つのトピックについてしか考えない、ということがとても苦手です。そんなわけでなんとなく身についてしまった研究(思考)スタイルが大体次のような感じ。

  1. 一つのテーマについてひたすら考えまくる。論文を片っ端から読むとか、とりあえず例文をひたすらいじりたおしてみるとか、用例をできるだけたくさん集めてみるとか、とにかく足掻く。
  2. 行き詰って中々先に進めないところまで来たら、そのテーマについては保留にして*2、別のテーマについて1と同じようなことをする。
  3. 1, 2をいくつかのテーマについて繰り返している時に、軽くその時足掻いていないテーマに意識を向けてみると、自然と問題の整理ができていたり、何らかのアイディアを思いついたりする。そこでできるだけメモ、思考やアイディアの整理。このプロセスにはあまり労力をかけず、出てきたものの整理だけ。
  4. 以下繰り返し。それぞれのテーマ、プロセスにかける時間も、テーマを移る順番も特には決めない。

 こんな感じです。自分で重要だと思っているのは、

  • 足掻いている時に出てきたアイディアや思考で上手くいくものはあまり無く、大体2の熟成(あるいは「忘れる」)期間が必要。
  • 3のプロセスは日常のふとした合間にやってくることが多い(なので研究に関係無さそうな時ほどメモ帳は手放せない)。僕の一番好きな時間は、移動中、特に歩いている時*3
  • でも、1の足掻くプロセスが無いと3のプロセスも絶対にやってこない。

 というわけで、僕にとって研究ってなんか半分ぐらいは「詰め込んで寝かせておいたらできているもの」というか、自動的に進んでいくもの、というイメージがあります。自動的に進んでいかないものは大体足掻き方が足りない(論文や現象のインプットが足りない)のが原因な気がします。
 ただ、このやり方だとよろしくない面も色々あります。一番きついのは特定のテーマの一定の研究成果についての期限がある場合に、そのテーマについてなかなか上手く進まないと「他のことについて考えるのは時間の無駄(だった)なんじゃないか」と後悔してしまうことでしょうか。今回のように並行的に上手く進むこともあれば、(ほとんど)全て上手く進まないこともありますから。
 もちろん口頭発表や論文執筆がある場合は特定のテーマに多くコストを割きますが、それも上で挙げた一連のプロセスの延長としてでないと上手くいかないので、普段からできるだけ研究の進捗状況について貯金を作っておかないときついです。それでも、どうも一つのテーマにかかりっきりというのは結局上手くいかないのですよね。これはもう人それぞれとしか言いようが無いところなんじゃないかと思います。
 後は(特に口頭発表での)アウトプットも非常に重要で、自分の研究サイクルからは外せないものなのですが、それは気が向いたらまた別の機会にでも。
 このやり方が今のところしっくりきているのですが、また経験を積むと違った形態にシフトしたりするのかな。できればもっと融通が利くようになるといいなと思うのですけれど。ちなみに複数のテーマについて並行的に研究が進む、という幸せな状況はほとんど訪れないです。これは自分の力量不足なんでしょうね。

*1:幸い学問自体に飽きることは今のところ無いようですけれど。

*2:きりのいいところまでとかはあまり考えない。

*3:ちなみに図書館の中なんかでも結構歩き回ります。