誰がログ

歯切れが悪いのは仕様です。

ポスドクのうちに書いておこうシリーズ4:非常勤講師こぼれ話

  1. ポスドク?になって院生の頃にやっておけばよかったなーと思ったこと - 思索の海
  2. ポスドクのうちに書いておこうシリーズ2:厳しさとか人とのつながりとか - 思索の海
  3. ポスドクのうちに書いておこうシリーズ3:人文と自然科学と - 思索の海

 あくまで個人的体験と伝聞がほとんどですので参考程度でお願いします。分野や大学やその他色々な要因に状況によって色々なんじゃないかなと思っています。担当していた授業は分野で言うと日本語学、言語学、留学生への日本語教育です。
 大学院博士課程を修了後、非常勤講師で大学の授業を担当するようになってから三年度目が終わろうとしているところです。ちなみに最初の二年度は研究員もやっていましたが、今年度はほぼ非常勤講師だけで生活していました。
 あ、あと愚痴とかそういうものではなくてこの時期の体験や考えたことを簡単には忘れたくないという整理・記録の意味合いが強いです。

教歴のカベ

 非常勤講師を経験することによって教歴が積めるのだけれどそもそもその非常勤講師になるのに教歴が必要な場合があって最初がハードル高いというお話。
 非常勤講師にどうやってなるかというとおおよそ、1)公募、2)その授業の担当の教員から直接あるいは間接的にお誘いがかかる、3)知り合いの先生や先輩の後任として声がかかる、というようなケースが多いのではと思います。
 2)や3)だと声がかかるわけだからうまく採用されるんではと思っちゃいますが、教歴が無いことによって結局他の人に話がいったという事例を結構な頻度で聞きます。
 僕は運良くそういうことにはならずにスタートが切れたのですが、非常勤講師控え室なんかで他の講師の方と話をしていても、そうやって最初の非常勤講師職につくのに苦労している人がいるという話はちょこちょこ出てきます。
 というわけで、もし非常勤講師の話が来たら、院生で博士論文執筆中なんていうかなり厳しい状況でも考慮してみるのがいいのではと最近思います。僕もエラそうなことは言えなくて、博士論文を書いている時にお話をもらっていたらきっと辞退していた気がしますが…一回話が来ると次もあるかなと思ってしまうのですが、次来た時にはそれが要教歴のやつかもしれませんよ。いや、なんか脅してるみたいですみません。

時間割などを組み合わせるのがなかなか難しい

 最初は授業準備にすごく時間と手間がかかるのでそもそもそんなにたくさんコマ数を持つのは大変なのですが、それなりに無いと生活が厳しくなることも。
 一つの大学で多くのコマ数を担当するのであればそれほど問題は無いと思うのですが、複数の大学で授業を持つということになるとなかなかうまく噛み合わなかったりします。
 そもそもその授業の曜日・時間が固定されていることもありますし*1、希望を出せる場合でも自分が希望する曜日・時間が必修など他の授業のために確保されていて調整が難しくなるなんてことも。
 僕は曜日・時間がどうしても調整できなくて泣く泣くお断りした話もいくつかありました。その辺りうまくできていたら今年度はもう少し経済的に余裕があったかなと思うのですが…物理的には配置可能でも大学間の移動距離を考えると無理、ってこともありますしね。
 あとある程度募集が集中する期間というのはあるのですが、非常勤講師の話が決まる時期も時間割の希望を出す時期もまちまちなので、学生が自分の時間割を組むのとは違ってなかなか計画が立てにくいところもあります。これは二年目以降からはうまくやれる可能性が高まると思いますが、僕は初年度は結構苦労して、案の定かなり厳しいスケジュールを組んでしまいました。
 これは自分にとってはなかなか盲点でした。うまく時間割が組めると組めないとでは研究やその他に割ける時間も変わってきますし。

研究室が無い

 研究室があるのはホントうらやましいですねー。
 ぜいたくな話だと思うのですが、非常勤講師控え室ではいまいち集中できなくて…あと部屋によっては机とコンセントが離れすぎててpcを使うのに苦労したり*2
 かといって食堂や休憩スペースなどでは学生と顔を合わせる可能性があってあまり使えず、結局最寄り駅の近くのマックとかに行くわけですが、それも学生と鉢合わせしそうなところは避けてました。いや、僕は気にしないのですが向こうが教員がいるって知っちゃったらくつろげないかなと思って…だから知らない学生はあまり気にしてません。
 あとこれは研究室の有無とはそこまで関係無いのですが、複数の大学に行くことになるとロッカーなどがあっても結局資料や本を毎回持ち帰らなければならないことが多く、カバンが重かったですねえ…僕が心配性で多めに持ち歩いちゃうってのも悪いのですけれど。茨城に住んで毎週千葉、神奈川、埼玉に遠征するっていうのがムチャな話にも思えますが、選択肢なんて無いですし、というかこれだけコマ数持たせてもらってるのがそもそも大変ありがたい話。

研究費が無い

 当たり前の話なんですが、顔を売りたくても参加したくても学会やシンポジウム開催場所が遠いと躊躇・断念したり*3。さらに学会費が学生会員から一般会員になるのも意外と痛いです。学振取れなかったお前が悪いとか言わないでえぇぇ

おわりに

 結局愚痴じゃねーかって気もしますが、やってみて初めて気付かされたこと、実感したことを中心に書いてみました。もちろん非常勤講師を経験して得たこともたくさんあって、それは感謝してもしきれないほどですが、それはまた別の機会に。
 最後にくどいようですがあくまで体験談ですのであまり一般化されないようお願いします。僕がうまくやれていないために大変になってるだけって点も色々あるでしょうし。

*1:これはシラバスが決定した後での応募であったり、授業の性質上(必修とか)ある程度固定されていたりと色々なケースがあるようです。

*2:結局延長コードを持ち歩いてました。

*3:学会の懇親会で非常勤講師のお声がかかったという話も聞いたことががが。