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歯切れが悪いのは仕様です。

一般的な語・表現と見た目が紛らわしい専門用語

これもいろいろなところでいろいろな分野について話題になっているのを見かけますが,日常でも用いられる語・表現と見た目が同じ(似ている)ために,かえって紛らわしくなっている専門用語というのはいろいろあります。

togetter.com

以前言語学の入門書としておすすめした定延利之『日本語教育能力検定試験に合格するための言語学22』

dlit.hatenadiary.com

に良い引用がありますので紹介します。

最も大きいと思える問題は、それらの文章に現れる専門用語が分からないことです。それも「能格言語」や「発語媒介行為」のような、見るからに分からない用語ならまだマシで、分からないということが最初からはっきりしていますから、あなたはさっさと辞典で調べたりできます。しかし、何となく分かっているつもりになっている用語が実は分かっていないという場合は悲惨です。(定延 (2002): 115,強調はdlit)

私が言語学関係の授業でよく言及するのは「記述 (desctiption)」でしょうか。学部の1年生に何のことか聞いてみると「口頭ではないこと」みたいな答えが返ってきて受験大変だったのかなあという気持ちになったりします。言語学概論とかの授業では「言語学は規範的ではなく記述的である」という話とセットにできるのでそんなに導入には苦労しないのですが。

言語学関連だとほかには「談話 (discourse)」とかときどき混乱するという感想が出ますね。あと私の授業ではそれほど出てこないのですが「焦点 (focus)」とか。「焦点」は専門用語に限定してもややこしいと注記されてしまうような用語なので二重にやっかいかもしれません。