誰がログ

歯切れが悪いのは仕様です。

コメント欄への投稿を承認制にしてあります(本当は新規投稿を止めたかった)

きっかけ

だいぶ前からもうコメント欄はなくても良いかなと思っていたのですが,沖縄に関する次の記事に

dlit.hatenadiary.com

次のようなひどいコメントが投稿されたのをきっかけに,コメント欄への投稿を承認制にしました。以前は誰でも自由に投稿が可能な設定にしてありました。

沖縄に関する記事に付いたひどいコメント
沖縄に関する記事に付いたひどいコメント

沖縄に対するひどい物言いは昔から旧2ちゃんねる等で散々見てきましたし,今はTwitterをちょっと検索すればこれぐらいすぐに出てくるのかもしれませんが,やはり自分のブログにこういうことを書かれるとすごく嫌です。

いちおうここで「言われたこと (what is said)」から何かネガティブでない内容を推論できないかということも考えてみたのですが,私には思いつきませんでした。

なぜ承認制か

ほんとうは新規投稿だけを完全に止めたかったのですが,はてなブログの設定で投稿に制限をかけるには投稿者を「(はてな)ユーザー」にするか,コメント欄を承認制にするぐらいしかないのですね(併用も可)。

新規投稿を止めるにはコメント欄の設定を「なし」にするという方法もあるのですが,これまでに投稿されたコメントもぜんぶ読めなくなってしまうようです。過去のコメントにはその記事の内容に興味のある人には有益だったり参考になるようなものも少なくありませんので,コメント欄自体を完全に見えなくするのには抵抗がありました。

コメント(欄)とのこれまで

ブログ(はてなダイアリー)を書き始めた頃はコメントには必ず返信してから新しい記事を書くようにしていたのですが,それだとかなり更新が滞ってしまうということが続いて,今では基本的にコメントにはあまり反応していません。たまに返信することもありますが,内容というよりは私の気持ちの状態や余裕の有無等に左右されるところが大きいです。

はてなダイアリーの頃から,IPアドレス等でコメントの投稿をできなくするような対応をしたことは何回かあります。元々コメント自体あまり多くありませんので,効果があったのかどうかはよく分かりません。ちなみに今回の投稿者もIPアドレスでコメント拒否にはしてあります。

ブログの記事の内容をベースにコメント欄で議論ややりとりが進むというケースもいろいろ見てきたのですが,今だとだいぶTwitter等に場が移っているのかなという印象があり,コメント欄を維持するモチベーション自体さいきんはあまり高くありませんでした。

幸い上にも書いたようにそもそものコメントの投稿自体が少ないので早急な対応が必要という気はしませんし,今後どうするかはまたゆっくり考えてみます。ただ投稿されたコメントに対する対応が毎回きちんとできるかどうかあまり自信がありませんので,今後私の書いた記事に対するコメントを確実に公開したい場合は,はてなブックマークのコメントやTwitterでの言及等をおすすめします

定延利之氏の「偉い大人」の話し方に関する記述(小池百合子氏の話し方の話)

下記の記事で紹介されているNatsuko Nakagawaさんのツイートを見てそういえば定延利之氏の著書に言及があったかもと思ったのでごく簡単に調べてみました。

nomolk.hatenablog.com

調べたのは下記の本です。「これにあったかも」と思って調べたらあったという流れなので,定延氏のほかの本や論文にもっと詳しい記述や分析が載っているかもしれませんが未調査です。

日本語社会 のぞきキャラくり (Word-Wise Book)

日本語社会 のぞきキャラくり (Word-Wise Book)

該当箇所は「第二章 キャラクタはどこに宿るか?」の「第五節 キャラクタはつっかえ方に宿る」です。

この現象については,まずアナウンサーの発話を紹介,政治家も似たような話し方をすると指摘し,「とぎれ延伸型のつっかえ」と呼んでいます。つまり,このタイプの長母音要素はそもそも「フィラー」ではないと捉えていると思われます。

「ま,住まいのための,おー原則それから」
これは,高校生向けのテレビ番組(中略)の中で,司会役の男性アナウンサーが発した一節である。
(中略)
「おー」を,「えー」や「んー」あるいは「えーと」「あのー」などと同じような,考えている最中に発せられることば(dlit注:これが「フィラー(の一部)」)と片付けるわけにはいかない。
(定延 (2011): 88)

どういう場面,キャラクターが関係するのかということについては,下記のように指摘されています。少し長いですが引用します。

ただ,公式の場でありさえすれば単語末や文節末に必ず出てくるというものでもない。さい銭をなぜ盗んだのかと警察官に問いただされ,小学生が「悪いとは,あー思ったんですが,さい銭箱を,おー覗くと」のように答えれば,誠意がない,おちょくっているのかということになって,説教だけでは済まなくなってくるかもしれない。というのは,この小学生は明らかに《大人》キャラで,別人としてしゃべっているからである。とぎれ延伸型のつっかえは《大人》の物言いである。
また,《大人》なら必ず現れるというものでもない。重役会議に連れてこられた,借りてきたネコ状態の新卒ヒラ社員が空気をすすりつつ「[スー] では,ご説明させていただきます。[スシュー]」などと発言し,続けて「大連会談の,おー」とやるのはおかしい。これは《大人》の中でも,それなりの権威を持った大人だけの技である。いま私はこの話し手を便宜的に《権威者》と呼んでいる。
(定延 (2011): 88,強調はdlit)

この本は以前書いた役割語関係の読書案内でも紹介・おすすめしましたが,専門書ではないので言語学,日本語学の知識がなくても楽しく読めると思います。ほかにも面白い現象がたくさん取り上げられていますよ。

dlit.hatenadiary.com

小池百合子氏の教育に関する政策を改めて見てみる

小池百合子氏が東京都知事に再選されました。

私は前回も今回も小池氏には投票しませんでしたが,予想通りの結果なので驚きはありません。

ここで,当選した小池氏の政策を改めて見てみようと思います。選挙後はいろいろな「分析」の記事が出て,私自身はそういうのを読むのも好きなのですが,当選した方の政策を改めて見直すというのも良いのではないでしょうか。「政策」や「公約」の検討や分析というのは,投票前にやるのも重要でしょうが,投票後にやる意味もあるのではないかと思います。下記のアンケート結果を見るとそもそもそれほど個々の政策が重視されていないなんて話もあるようですが。

www.nhk.or.jp

といっても,この記事では個々の政策について検討するわけではなく,氏のサイトに掲載されているのを抜き出すぐらいにしておきます。有権者でもちゃんと見るのははじめてという人は意外といるのではないでしょうか。

氏の政策のページにある3つのカテゴリーのうち,「2 「人」が輝く東京」の「1 子どもと女性が輝く東京」に「教育」という小分類が立てられています。以下,抜粋します。

  • 一人一台の学習用PC・標準的学習コンテンツの整備等によるオンライン学習の強力な推進
  • 学びの遅れを取り戻すサポートスタッフの大幅拡大
  • 「東京型教育モデル」:対面・オンラインのベストミックス・インクルーシブな環境・フリースクールなど学びの選択肢の多様化・個別最適化
  • 多摩地域における英語村の開設をはじめ、学生・ビジネスパーソン含めた都民の英語習得環境の拡大
  • ICT・理工系教育・金融教育の強化
  • 子どもの貧困対策、経済的困窮の家庭・学生への支援強化
  • 東京都立大学の秋入学の拡大
    政策 | 小池ゆりこ オフィシャルサイト

一つ一つ言及するときりがありませんし,具体的にどのような形になるかにもよるのですが,「学びの選択肢の多様化」などはぜひ実現すると良いなと思いますね。

私は大学(学部)生の頃からどんな選挙の時も「教育」に関する政策・公約をチェックするようにしています。当時はなんだか教育に関する問題が選挙の時にあまりフォーカスされてないのが気になるというぐらいの動機だったのですが,今は教育業界で働いていますので,自分の生業に関わるという点でも気にかけています。こういう,自分はこれを重点的に考えるっていうカテゴリーがあると,投票に迷った時とかちょっと楽になりますよ。

なお,教育は候補者によってかなり優先順位の付け方や取り上げ方に違いが出るカテゴリーだという印象があります。今回のように細かく見ると多くの候補者が言及しているのですが,時間が限られている政見放送や,スペースが限られている選挙公報などではそもそも取り上げられているかどうかがかなり候補者によって違います。

ちなみに,私が小池氏に投票しなかった理由はいくつかあるのですが,ずっと気になっていることに「外国人」への冷淡さがあります。上で言及した政策のページを見ても,SDGsが掲げられ,「多様性」や「多文化共生」といったキーワードが挙げられているにもかかわらず,具体的な言及がないように見えます。国政への参加については議論があるかもしれませんが,少なくとも地域社会では「外国人」も確実に社会の構成員なわけで,しかも東京ではすでに多数の「外国人」が住んだり暮らしたりしているので,もう少し明言されていても良いのではないかと思うのです。