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歯切れが悪いのは仕様です。

国語学史,国語の言語政策史に関する本をちょっとだけ紹介

 古典教育・国語教育関連で先日書いた記事にid:karpaさんから情報をいただきましたので,自分の知っている範囲で紹介しておきたいと思います。かなり専門からは遠いので読書案内というタイトルは付けませんでした。

dlit.hatenadiary.com

国語の言語政策史

 国語教師・日本語教師を含め一般的に広く知って/読んでほしいのはこちらなので先に載せておきます。

 言語政策については批判的な視点が重要なので,安田敏朗氏の著作をおすすめしたいです。

「国語」の近代史―帝国日本と国語学者たち (中公新書)

「国語」の近代史―帝国日本と国語学者たち (中公新書)

新書でkindle版もあり手に入れやすいのも良いですね。

 古典教育関係の文脈で漢字廃止/制限論も目にしたので下記も挙げておきますが,ちょっとハードルが高いですかね。新書の方でももう少し詳しく触れられていれば良かったのですが。

漢字廃止の思想史

漢字廃止の思想史

 あと,個人的なおすすめとして山東功氏の著作を挙げておきます。どちらかというと下記の国語学史の文脈で紹介した方が良いのかもしれませんが,「制度」という観点も出てきますので。こちらもkindle版ありです。

唱歌と国語  明治近代化の装置 (講談社選書メチエ)

唱歌と国語 明治近代化の装置 (講談社選書メチエ)

国語学史

 「学史」なので,なじみがない方はざっくり国語/日本語の研究史だと考えて良いかと思います。研究史といっても現代の「研究(者)」に近い形の話ばかりではなく、特に古い時代については人々がどのようにことばに向き合ったかの歴史なので、たとえば訓読の発生とか日本語史的な内容も含みます。

 特にいつもチェックしているというわけではないのですがkarpaさんが示してくれた古田東朔・築島裕 (1972)『国語学史』と馬渕和夫・出雲朝子 (2007)『国語学史』の2冊をちょうど持っていました。

 研究書の方では釘貫 (2013)*1や服部 (2017)*2が出ていたからか,国語学史関係の概説ももっと出ているだろうという印象を勝手に抱いていたようです。

国語学史

国語学史

 大学院生の頃に購入しました。当時はまずはこれという定番だったと思います。章立てが「上古・中古」「中世」「近世」と時代別になっているのが特徴的でしょうか。

国語学史―日本人の言語研究の歴史

国語学史―日本人の言語研究の歴史

 こちらは上のものと比べて「音韻研究」「仮名遣研究」のようにおおよそトピック別の章立てになっているのが特徴です。

 ちなみに明治以降の研究についてはどちらもあまりページを割いていませんね。

 こちらもできれば国語教育に興味のある方には広く読まれてほしいです。ただどちらも初学者にはちょっとしんどいかもしれません。

*1:

「国語学」の形成と水脈 (ひつじ研究叢書(言語編)第113巻)

「国語学」の形成と水脈 (ひつじ研究叢書(言語編)第113巻)

*2:

明治期における日本語文法研究史 (ひつじ研究叢書(言語編)第146巻)

明治期における日本語文法研究史 (ひつじ研究叢書(言語編)第146巻)