誰がログ

歯切れが悪いのは仕様です。

授業用音声付きスライド作成の記事を書いた背景,あるいは心配

昨日下記のような記事を書きました。

dlit.hatenadiary.com

記事中では少ししか触れていませんが,この方法の利点として,学生への負担軽減ということがあります。学生の置かれているさまざまな状況・環境に比較的広く対応できると言い換えてもいいかもしれません。

まず,いわゆるオンデマンド型であることによって,学生が学習時間を柔軟にコントロールすることができます。たとえば,両親が在宅勤務で家族全員に十分なワークスペースがない場合は,日中にリアルタイム配信型の授業に参加するのが難しいというような状況もあるでしょう。オンデマンド型の教材なら,視聴する時間は自分で設定できます。それでも調整が難しい場合もあるかもしれませんが…

また,もちろん内容によるのですが,音声付きスライドは動画よりは通信量に負担をかけないので,通信環境があまり良くなかったり通信容量に制限があるような場合でも授業に参加しやすいと思います。

下のページにまとめてくれているように各社いろいろな支援策を始めていて,大学も独自のサポートをするところもあると思いますが,それでも厳しいという学生はいると思います。

scrapbox.io

教員の方は,そんなこと分かってるよ,前から言われてたでしょ,と思う方が多いでしょう。私が心配しているのは,変化です。状況の変化や認識の変化,そして方針の変化。

現在すでに授業をオンラインで始まった大学がありますが,思ったよりトラブルがあってなかなかうまくいかないということはないでしょうか。試行錯誤してもどうしてもうまくいかない場合は授業の形態を変えるということが必要になるかもしれません。授業が進むと学生からの苦情や相談もいろいろ出てくるでしょう。

また,学生の状況や環境の把握がまだ終わっていないところもあるようです。調べてみたら想定していたより通信環境が良くなくて,リアルタイム配信型は推奨できないという方針が打ち出されるかもしれません。

さらに,学生の置かれている環境や状況も変化する可能性があります。大学側の調査に答えた段階や授業が始まった頃は問題がなくても,たとえばその後親が在宅勤務になったりとか。また,集合住宅などで通信環境が周囲の影響を受ける場合だとそれまでは問題なかったのに通信速度が低下してしまったりとか。

オンデマンド型教材の準備は,内容にもよりますがある程度時間を取られますので,そのような方針転換が必要になる前に少し考えておくと良いのではないかと思います。授業の内容やタイプによっては,どうしてもオンデマンド型に向かないものもありますので難しいんですけどね。私は比較的オンデマンド型でもできるタイプの授業を担当しているので,本当にリアルタイム配信型でないといけない授業にきちんと時間や通信環境を使ってもらうためにもできるやつはオンデマンド型にしておこうと思って準備しています。

そのほかの方法

Googleスライドでも音声付きスライドは作れるようです。

note.com

これはかなり早い段階で公開されていたので見た方も多いのではないかと思いますが,テキスト資料+音声ファイルだと,音声付きスライドよりさらにファイルサイズが小さくなります。

www.gakushuin.ac.jp