誰がログ

歯切れが悪いのは仕様です。

2021年度に大学・大学院を卒業・修了されたみなさんおつかれさまでした

もちろん「おめでとうございます」でもあるのですけれども,やはり大変な中よくここまで辿り着いたというのが先に立ちます。

所属しているコースなどではあいさつをしたり個別に学生と話をしたりもしているのですけれども,なんでこんな記事を書いているかというと,2021年度に4年制の大学を卒業した世代はなんというか顧みられにくい世代なのではないかと考えさせられることが何度かあったからです。贈ることばというわけではなく,どちらかというと記録のために書いています。

先に断っておくと,どの世代がより不幸かというようなことを考えてほしいわけではありません(しかしどうしてもそこにつながる可能性はあるので書くのを躊躇しました)。大学だとみなが同じタイミングで卒業するわけではありませんので,どれくらいの人にこの話が当てはまるかという問題もあります。また大学や組織によってもいろいろ状況は違うでしょう。

何が気になっているかというと,2021年度に4年で大学を卒業する人たちは後半の2年がコロナ禍の影響を強く受けたということです。もちろん,コロナ禍が本格化してから大学に入ってきた学生の問題も深刻で,2020年度入学の場合は厳しい状況の中3年目を迎えます。一方で,学部の3, 4年生という,卒業研究・卒業論文,あるいはかなり専門性の高い実験・実習に取り組む時期にそれらの活動に強い制限があったというのはやはり相当つらかったという人が多かったのではなかったでしょうか。

教員の立場から言うと,やはり厳しかったという感触が強いです。そんな状況の中,私の知る範囲ではこれまでより卒業できなかった人が増えたというようなことはなかったのですけれども,学生のつらさはどうしても教員からははかり難いことが多いです。

また,大学院で修士課程,博士課程前期を2年で終了した学生は,入学から終了まで丸々コロナ禍の強い影響下にあったわけです。フィールドワーク,調査,実験など,研究における重要なプロセスそのものが脅かされる中,修士論文を書き上げるというのはやはり厳しい人が多かったのではないでしょうか。

教員としては,大学におけるさまざま制度や活動の維持のために(一部の)教職員の方々のすさまじいまでの献身があったことは知っていますけれども,学生の視点から見るとやはり強く制限されたままの学生生活であったと言わざるを得ないでしょう。

ここまで書いてきても,やはりあまり良いことばが思い浮かびません。この禍によって受けたネガティブな何かから回復するためにはまず生き延びることが重要ではないかと思います。大げさな言い方に感じる人もいるかもしれませんが,生活や生命の危機は突然やってくることもありますし,生活が大きく変わってダメージを受ける人もいるでしょうから,できる限り気をつけてほしいと思います(それすらエネルギーを使うのでなかなか難しいこともあるのですけれども)。みなさんのご武運をお祈りしております。