誰がログ

歯切れが悪いのは仕様です。

40歳になりました

せっかくの機会なので少しだけ何か書いておくことにします。

ちょっと前に「若手」については少し書きました。

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研究

以前,ある先輩の研究者から「理論的な研究は若い内に1度突き詰めてやった方が良い」というアドバイスをいただいたことがありまして,ちょうど30歳の時に博士論文を書いたということもあり,30代のうちに理論面で何かひと仕事,と考えていたのですが,結局ぱっとしなかったなというのが実感です。

補充法 (suppletion)に関するいくつかの成果は個人的には気に入っているのですが,インパクトという点ではうーん。あと,さいきん始めた外来語に関する研究はいくつかおもしろいことができるのではないかと思いますがこれもこれからの話ですね。

論文等の成果物については,これから来年にかけていくつか報告できることがありますので,その都度ここでも宣伝します。

生活など

計画していたわけではなかったのですが,大学院修了・博士号取得,専任職への就職,結婚,第一子誕生,東京への移住,といろいろあった30代でした。

もう無理と思った瞬間・時期が何回もありましたが,未来の自分にツケを回すような形でなんとか乗り切ってきたような気がします。もう少し無理しないで生きていける環境を作りたいのですが,なかなか難しいですね。

皆様もご自愛ください。

研究に対する評価の情報(学会の難しさとか)を書き記しておくこと

研究者・大学教員の皆様におかれましては,たとえば論文や書籍,学会発表等による研究成果の発表を評価される/することについて(さいきんの状況下では)いろいろ思うところがあるのではないでしょうか。特に評価基準や研究に関する制度・文化が異なる他分野・他領域とのすりあわせや情報交換はなかなか大変ですよね。

以前社会学における研究の評価の話がきっかけになって少しだけ下記のような情報の提供がありましたが,人文社会系だけでなく,いわゆる理工系でも分野・領域によって実はいろいろ細かい違いがあるのではないでしょうか。

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さて,私が見ている限りではあまり良くあることではないのですが,書籍の前書きにそのようなことが書いてある例を1つ紹介しておきます(著者とは別の人が書いています)。ちなみにこの本自体おすすめの1冊ですので,専門書ですが,気になっていて未読の方はぜひどうぞ。

認識視点と因果

認識視点と因果

彼女の研究の評価は非常に高く,博士後期課程の時に京都大学で行われた第16回Japanese/Korean Linguistic Conferenceで発表を行っています。この学会は採択率20%前後という非常に水準の高い学会であり,日本語で教育を受けた大学院生の論文が採択されるのは極めてまれであるといえます。
(田窪行則 (2013)「序」『認識視点と因果』: i,強調はdlit)

人によって評価は異なるでしょうが,私の体感にかなり近いです。私も1回だけポスター発表で通ったことがありますが(口頭は全滅),どうしても避けられない校務で断念しました。

こういう学会,特に国際学会・国際会議の難しさや関連研究領域における評価は言語学の研究者内でも共有されているとは言い難く,このような情報がどこかに書いてあると情報交換や評価のすりあわせの際に助かるということがありそうです。

ただ,もしこういう記述が過渡に重視されるようになると,自画自賛や「盛った」記述が増えそうな気もするので悩ましいところですね。

研究に対する評価については,そもそも評価がどれぐらい必要なのかという根本的なところから,細かい基準に関する具体的なところまで,できること・やるべきことがいろいろあると思いますが,こういう試みも1つの参考になるのではないでしょうか。

はてなグループ提供終了により日記の移行を考えています

以前,はてなグループのサービスが提供終了するという発表があったのですが,下記の記事で新規作成や投稿だけでなく閲覧そのものができなくなるとの方向がありました。

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かなり前に作成してだいぶ放置したままの「linguistics ?」というグループがあるのですが,

linguistics.g.hatena.ne.jp

少なくとも私の日記(dlit@linguistics)については,何らかの形で各記事を移行することを考えています。下記の記事のように,消えるままにするにはもったいないと思うものもありますので。

linguistics.g.hatena.ne.jp

グループ内の掲示板にも書きましたが,参加されている方はどうするか考えてみることをおすすめします(消えるままにするのも1つの選択です)。