誰がログ

歯切れが悪いのは仕様です。

談話会とか色々。

 最近なかなか更新する余裕が無いのでいくつかつらつらっと書いておきます。
◆第92回関東日本語談話会
 プログラムなんかはここから。
 前回初の欠席だったのでかなり久しぶりな感じでした。久しぶりな人々と色んな話ができて元気をもらった感じでした。M先生の非対格性の話とか聞いてると「あー研究の場にいるな〜」って実感できて良いです(笑)
 肝心の発表はというと…一本目はまあなんというか、もうちょっと先行研究の読み込みが必要かな〜という感じで。僕も若干専門ですが、自他交替、非対格性、漢語動詞とくるともう読まなきゃいけないものがホントにたくさんあるんですね…僕は理論的に面白いところを切り取ってやるのでまだ良いですが、ある程度現象全体に決着をつけようとなるとかなりの覚悟が必要な気がします。先人も巨人ばかりですし。
 二本目は、さすがというか問題の所在や重要になってくる現象、概念の整理はわかりやすかったのですが、各論点やアイディアに関してもうちょっと突っ込んだ提案が欲しかったかなーという気もしました。まあ質疑応答の方では結構盛り上がってたのですが。
 発表や議論を聞いてて、自分も発表したい気分になりました。やっぱりああいう議論が白熱する場の方が発表してても楽しいよな…ただ討ち死にする可能性も大いにありますけど(^^;今回も改めて感じたけど下手したら全国規模の学会発表一室より厳しい気がする…

◆研究の愚痴シリーズ:英語
 最近学問関係はほとんど愚痴ですよね(苦笑)ブログをそういうタイトルにしてしまおうかと思うぐらいです。
 今回の愚痴は英語。いや、僕も全然精進は足りないのですが…問題は心意気、というところで。
 何かというと、院生が英語の論文や本を読まない、ということです。確かに母語より時間もかかるし大変なんだけど、どの分野にも結構英語の必読文献ってあると思うんだけどな…まあ分野にもよるので一概には言えませんが。例えば…

  • 授業で英語の論文の講読担当を拒否する(聞いた話)
  • 授業で先生が英語の論文の講読を課したら次の授業から受講者が激減した(体験談)
  • 関連文献を教えてほしいと言うので挙げていたら「英語のやつはちょっと…」と言われた(体験談)

 いやーこんなんでやっていって言語学の学位をもらうのか…僕も英語は誉められたものじゃないですが、問題はその姿勢だと思うのですよね。例えば、授業で読むということは皆で読むわけだから負担も減るし、先生や先輩が内容を解説したり要約のお手本を示してくれたり、間違ったら指摘してくれたりするわけで、むしろ苦手な人は頑張って参加するべきなんじゃ、と思うわけです。
 個人的には英語の論文にも面白いのがごろごろしてるし、これを全部読まないってのは研究上だいぶ損するよなあ…と思います。分野によっては基本・重要文献は英語ばかり、というものもありますしね。
 分析の方法も、アイディアも、面白い現象も、関係あろうがなかろうがとにかく色んな論文を読んでると自然に出てくるものなんじゃないか、と思うんですけどね。僕は煮詰まったりやる気がうまく出なかったりするととにかく論文を読みます。というか、論文を読むことで自動的に研究が進む、という感じです。

◆水からの伝言:水は答えを知っている!?
 水は良い言葉をかけると綺麗な結晶を作る、というあれです。
 一部webでは疑似(ニセ)科学問題のテーマの一つとして有名なのですが、管見の限り言語学の視点からの反論(反証)をきちんと書いたものはなさそうなんですよね。
 ということでいっちょ言語学の観点からの議論を書いてみようかなと思い立ち、その元のネタ本を買って読んでみたわけですが…

 いやーひどい(^^;
 一応理系の研究を生業にしてない僕でもすぐに色んなところに科学的に無茶な記述があるのがわかりますし、言葉に関する捉え方もなんというか…まあそっちは専門ではないようなのであれですが。
 というか、論の組み立て方がおかしいところが結構あります。科学とか、実験とか、言語学とかに関する知識が一切無くてもこの本の主張はおかしいなあ、と思われて然るべきだと思いますよ…こりゃー科学者たち(一応自分もそうだと思ってるのですが、ここでは理系の人たちのこと)が最初の頃は歯牙にもかけなかったのがわかります。
 僕も読後、反論は不要なんじゃあ…と思ってしまいました。他のブログやサイトでも言葉に関する点についての問題点も指摘はされてますしね。
 これはやる気と時間がそろえられたら書くことにしよう…
◆暫定版ではありますが、書いてみました↓
「水からの伝言」に言語学の立場から反論する - 思索の海