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歯切れが悪いのは仕様です。

ハングル採用の件メモ:ハングルと子音連続

 ハングルがインドネシアで文字として採用された件。

 色々調査中なんですが、重子音について言語学大辞典に興味深い記述を見つけたのでメモ。

 さらに、中期朝鮮語では初声に重子音・三重子音で表される語があった。たとえば(ハングル)psɐr「米」、(ハングル)pstai「時」など。これらが実際どのような発音を写したかは今もって不明であるが、いずれも今日では濃音に変わっている。

(『言語学大辞典 第6巻 術語編』p.1086-1087、(ハングル)の箇所は該当するハングルが表記されている。)

 上の記事のブコメにも、(音節構造がそれほど複雑ではない韓国語に対応した文字なので)ハングルが音節構造が複雑な場合に対処できないのではないか、という意見があった覚えがあるのだが*1、子音連続とそのハングル表記というのはそもそも韓国語&ハングル自身が通ってきた道だったようだ。そもそも濃音は同じ要素を重ねて用いることによって表すわけだし、拡張は難しくないのでは、とは思っていたけれど。

 もちろんCCCVCCCみたいな音節があったら大変なことになるだろうけれど、Cia-CiaがAustronesian, Indonesianの一般的な特徴に沿った言語であれば音節構造はむしろ韓国語より単純な可能性すらあるだろう。

 言語学大辞典には島の名前である*2Butung(Butonとも綴る)がちらっと出てくるぐらいで、Cia-Ciaに対する記述は見つけられなかった。ちなみに、英語版のWikipediaには項目がある。

 論文はgoogle scholarでざっと探したものの上手く見つからず。以下の文献が重要そうだけれど、うちの図書館に無いorz

 あと、友人にCia-Ciaの音を聞けるページを教えてもらった。多謝。

確かに音節構造は複雑じゃなさそう。僕は音声学者でもフィールドワーカーでもないので自信無いですが。

 他にもいくつか情報が拾えましたが、目下まとめ中です。

*1:あのブコメの中には読むと気分が悪くなるものがあるのでできるなら読み返したくない。

*2:言語の名前として用いることもあるようだ。