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歯切れが悪いのは仕様です。

ニセ科学批判はニセ科学の根絶を目指している?

 TAKESANさんの粘り強さというか忍耐力はいつも見習いたいと思うところです。

このコメント欄での水伝に関する問題についてはNATROM先生がすでにエントリを上げていますのでぜひ。

そういえば「水伝はそもそも科学じゃないって主張してるじゃない」って言う人は昔うちのコメント欄にも来てたなあ。
 ところで僕が気になっているのは、疑似/ニセ科学批判批判で時々見かける、「そんなやり方じゃ疑似/ニセ科学は無くならないよ」というような文言。僕の知る限りでは、そんなことを直接の目標として掲げている、ニセ科学批判をしている人っていないような気がするのですが、いかがでしょうか?
 そもそも下のまとめサイトを見てもらえればわかるように、ニセ科学批判をする動機からして人それぞれなので「ニセ科学批判者」をひとまとめにして論じること自体が無理があると思いますし、

何か個別のニセ科学の根絶(あるいはかなりの程度の規模の縮小)を目指している人はいると思います。確かに、個人的にももう即刻消え去ってほしいニセ科学もいくつか思いつきます。(例えばHIV否定論とか。優先順位を付けたいわけじゃないですけどね)
 このブログで以前、「ニセ科学批判は永遠のもぐら叩きなんじゃないか」ということが話題になったことがありました。僕はたぶんその通りなんじゃないかと思います。そして、ニセ科学批判者はそのことに絶望したりはしてなくて、そういうもんなんだろうと受け止めていると思っています。
 その比喩を借りて言うなら、ニセ科学批判というのはもぐらの根絶を目指しているのではなくて、「できるだけ多くの人が、自分の観測範囲にもぐらが出てきた時に、ある程度自分で叩ける*1」ような社会の実現を目指しているのだと理解しています。今はもぐらを叩いて回ってる人が相対的に少な過ぎて、どうしても手が回らない、あるいは何らかの負担が偏在してしまうような状況、ということなんじゃないですかね。
 疑似/ニセ科学がなんで受け入れられてしまうのか、科学がどこまでケアできて、それ以外のことをどうケアするのか、ということについてはkikulogでもさんざん話題にされてきましたし、poohさんのところでも多くの議論の積み重ねがあります。「どうすればいいのか」ってのはやっぱりなかなか難しい問題なのですが、ニセ科学批判をしている人たちがそういう問題を軽視したりしてるわけではないってことは、もっと広く知られると良いなあ、と思います。
 まあ「ニセ科学批判者は科学のことにしか目が向いてないから」ってのもほとんどが事情をよく踏まえていないニセ科学批判批判のネガティブキャンペーンの中で見かけるもののような気もしますが、まだまだ周知の余地はあると思うので、上でリンクをはったサイトやページにできるだけ多くの方が目を通してもらえると嬉しいですね。
 ああ、あと「ネタにマジレス(笑)」については、以下のkikulogの記事とコメント欄が参考になると思います。

※追記(2009/01/20)
 僕はなんてバカなんだ!こんな時こそ売り込むチャンスじゃないか!というわけで上記のサイトに加えて水伝FAQもよろしくお願いします↓

*1:ここでの「叩く」は批判するだけではなくて、回避する、ような行動も含めたいところです。