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歯切れが悪いのは仕様です。

大学のレポートにおける提出ファイルの形式とか(さいきんの方針)

特に主張とかがあるわけではないのですが,授業の「オンライン化」に伴って,以前より電子ファイルの直接提出が増え,特にはじめての教員の方は意外と悩むのではないかと思い,私のさいきんの方針を簡単に書いておくことにしました。でも書き終わって思ったんですがあまり参考にならないような気がします。

提出はLMSがおすすめ

私の所属先ではmanabaというLMSを使っていて,ここ数年はすべての授業のレポート提出をこれに統一しています(非常勤の場合はその機関に合わせる)。

大学で授業を担当するようになってから,事務室に設置するレポートボックスへの提出,研究室のドアポケットへの提出,メールへの添付,といろいろなやり方を実際にやってみましたが,結局LMS上での提出が,一番「事故」が少なかったです。また,提出が学生のアカウントと紐付いているので誰が出したか分からないということがないというのも大きいです(かつて同姓同名で漢字もぜんぶ同じという2名の受講生が同じクラスに割り振られたことがあってな…)。今の状況だとMicrosoft Teamsのようにオンライン授業をやっているツール上で提出というのでも良いかもしれませんね。

紙での提出が事故少なそうと思うかもしれませんが,事務室のレポートボックスだと実はほかの授業のボックスに出してしまうってのが意外とあります(逆にほかの授業のレポートが自分のところに入っていたり)。まあLMSでもほかの授業のレポートを間違って提出してしまうということはあるんですが,紙だと送ってもらったり送り返したりしなければならないので。

メール添付はメールの送信事故(アドレスの打ち間違いとか)がけっこう起きます。また,メールで受け付けていた頃は締切時間を23:59に設定していて一応その時間まで待機していたのですが,締切時間の前後30分ぐらいに「パソコンに飲みものをこぼしてしまったのでもう少し提出を待ってもらえませんか」的なお願いのメールが偶然にもそこそこの数集中するという不思議なことが毎回起きていました。なぜかLMSでの提出にするとそのような連絡はぐっと減りました。理由はよく分からないのですがLMS万歳。

ファイル形式

前置きが長くなってしまいました。

私の今の方針は,「できるだけ多くのファイル形式に対応する」というものにしています。ただ何でも良いとするとかえって分かりにくいので,

  1. 「基本的に文書/ドキュメントファイルで出す」という指定にして,
  2. ソフト/アプリとしてはMicrosoft Word,一太郎,Pages,LibreOfficeを例示しています。
  3. また,PDFが良い人(たとえばTeXで書くとか)はPDFでも良いと明言します。
  4. さらに,ほかの希望がある人やよく分からない,不安な人は事前に相談することとしています(特にスマホ/タブレットのアプリだとアウトプットがあまりメジャーではない形式のファイルになることも稀に?あるようです)。

世話を焼きすぎと思うかもしれませんが,これは,レポートや論文のような文章を書いたり読んだりすることが形式やソフト,アプリに制限されるのはあまり良くないのではないかということをさいきん考えているからです。また,仕事でかなりいろいろな形式のファイルをやりとりするので,上に例示した範囲のファイルであれば特にそれほど手間無く取り扱えるという私個人の事情も助けになっています(Parallels入れてないMacで一太郎とかがちょっと厄介)。

ただこれは授業の性質によっていろいろな方針があり得るでしょう。分野や授業によっては,使用するソフト/アプリを限定して,使い方,書き方についても授業内で積極的にやった方がいい場合もあるかもしれません。

どういう方針を採用するにしろ,レポート課題を出す際に,こういう条件についてもできるだけ具体的に言及しておいた方が教員としても楽だというのが私の実感で,具体的に書かないと結局質問が来て対応に追われたりすることも。

ドキュメントファイルとかを直接提出するとレイアウトが崩れるとかフォントが変わるとかあるので,PDFに統一するのが一番良いのかもしれないのですが,私の授業(受講生多めだったり対象が1年生だったり)だとPDFに統一するのはかえってハードルが高そうでまだ試していません。

ちなみに,手書き不可ならそれも明言した方が良いと思います。指定しないと,特に分量が多くない場合ノートに手書きしたものの写真を撮って画像ファイルで出す学生がいます(もちろんそれで良いなら問題ありません)。私の授業では課題の性質によって手書きでもOKな場合とダメな場合があり,その都度はっきりと書くようにしています。

実際はどうか

私の授業では結局Wordでの提出が9割を超えていると思います。次に多いのがPDFですが,これは作成方法を聞いている訳ではありませんので,元がWordのファイルなのかTeXで書いたのかというのは分かりません。事前に「TeXで書きたいんですけど…」という相談はときどきあります。あとはたまーにLibreOffice,Pagesのファイルがあって,一太郎はごく稀ですね。つまり,結局頻繁にソフト/アプリを切り替えてレポートを読まなければならないということはほとんどありません。

レアケースですが,これまでxmlやhtml形式のファイルが提出されたこともありました。おそらくよく分からずに保存の時のファイル形式を変更してしまったのだと思います。Microsoft OneNoteのファイルなんてケースもありました。

あと,ファイル名を指定するとたまに拡張子がないファイルが提出されることがあります。おそらく拡張子まで含めてファイル名をいじってしまったからということなのでしょうが,拡張子を表示するかどうかの設定がマシンごとに違うというのも事態をややこしくしているのではないかと思います。さいきんは無理矢理拡張子を付けて開くと読めるケースが増えたなと思います。