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歯切れが悪いのは仕様です。

ポスドクのうちに書いておこうシリーズ2:厳しさとか人とのつながりとか

 シリーズ1はこちら

 gorotakuさんの以下の記事を読んで

ここまで具体的なことは話しませんでしたが、大学院に進学する時に、複数の院生の先輩から人文系の研究者として生きていくことはかなり厳しい状況だということ、「それでも来るのね」と言ってもらったことを思い出しました*1
 就職状況の厳しさはM1の頃から先輩方の話を聞いていて伝わってきましたし、早くから具体的にそういう情報が得られたことについては今でも感謝しています。
 あと具体的に気になったところをいくつか。

大学院にいる間が勝負です。修了後には生活に追われることになります。院にいる間に成果が出なかった人が、院を出てから十分な成果をあげることは限りなく不可能に近い。思い出してください、相対評価です。あなたが院を出てからどんなに頑張ったとしても、あなたの競争相手は「院にいる間からガンガン成果を出していた人」なんです。そういう人達は、大抵院を出た後も成果を上げ続けているんです。
文系の研究者になりたい人達に知っておいてほしいこと - bluelines

 これはホント痛感中(業績が少ない僕が言うと説得力あるでしょ?)。前のエントリでも書いたように、院を卒業すると生活する大変さとかの前に、そもそも新しい環境の適応にもかなりエネルギー/時間を割かれてしまったりします。

人との繋がりは、ものすごく大事です。「コネで就職が決まる」とかそういう話ではありません。あなたの研究のデキは、「あなたがどれだけ賢いか」よりも、「あなたがどれだけ助けてもらったか」に依存します。「誰から、どれぐらいアドバイスを得て、それをどれだけ反映させることができたか」が大事だということです。指導教官や先輩、同級生、学会で出会った他大学の先生や院生と常にコミュニケーションをとり、彼らがくれる大切なアドバイスや教訓をスルーしないようにしましょう。新しい人との繋がりを得られる機会があったら、無駄にしてはいけません。あなたが窮地に陥ったとき、思いもよらないところから救いの手が伸びてくることはよくあるんです。
文系の研究者になりたい人達に知っておいてほしいこと - bluelines

 「思いもよらないところから救いの手が」ってことはホントにあります。非常勤講師とか「誰かいないかな」っていう状況の時に顔と名前を思い出してもらえるとか、公募の選考に関わる(可能性がある)人に少しでも自分の人となりや研究内容を知ってもらえているというのは有利に働くことがあるはず。
 僕が重要だなと感じているのは、「どんな小さなところでの口頭発表もどんなところに書く論文/研究ノートも常に全力で」ということです。いや、当たり前と言えば当たり前なんですが、これが意外なところで読んでもらえてたり聞いてもらえてたりしているのですよね。院生のうちは発表や論文をこなすこと自体にいっぱいいっぱいになってしまうことも多いでしょうし、「自分みたいに無名なやつのことなんか誰も気にかけてないよな…」みたいに落ち込んでしまうこともあるかもしれませんが、一方で、自分の知らないところで(もちろん悪い方向にも)どんどん評価がなされていくってことを意識できると良いんじゃないかと思います。
 ちょっと打算的なことを書いてしまいましたが、色んな人とつながりができること自体面白いので、いいですよ。僕もあまりコミュニケーションがうまい方ではありませんが、相手がうまかったりしますし。

*1:ちなみに僕が進学したところは一貫制の博士過程。