誰がログ

歯切れが悪いのは仕様です。

2021年に書いた記事からいくつか紹介(+この1年の感想)

ここ数年毎年書いている,その年に書いたブログ記事の紹介です。被はてブ数やアクセス数に関わらず,書いた本人として読んでほしい記事をピックアップします。

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今年は週刊はてなブログへの寄稿というブログ書きとしては珍しいイベントがあった年でした。長くやっているとこんなこともあるんですね。

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その一方で,書き手としてはこれまで15年ブログを続けてきた中で,専門性とか専門家とか専門知とか,専門的な何かとそこに関わる人はますます尊重されなくなってきているなということをもっとも強く感じた1年でもありました。ここではこれ以上書きませんが,何かきっかけがあれば言語化するかもしれません。

ただ状況を見てみると,少なくとも言語学とその関連領域に関しては,Twitterやnote,あるいはYouTubeなどで専門性の高い人たちによる活動は増えているという印象がありますので,10年,15年前に比べてそもそも特に私が何かしなくてもということなのかもしれません。変に悩んだり考え込んでしまうのが私の性分なのでこれからも駄文を書き散らすとは思います。

言語学

三上章

今年はこの記事に尽きるでしょう。書き手としては,今年に限らず,このブログすべての記事の中でのベストという認識です。もちろん内容として物足りない部分はありますが,思ったよりがんばれました。

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三上章がフォーカスされ,また著書も売れているようなのは嬉しいのですが,妙に持ち上げられすぎているような気もしますので,こういう現代の研究との関係やほかの研究者の存在について書いておいて良かったと思います。

しかし書く前から予想はしていましたが,内容と労力の割に読まれてない度も圧倒的1位の記事ですね。多少詳しい人でも自分で調べるとなるとものすごく大変な情報もいろいろ入っていると思うのですが,まあそんな記事や情報はほかにもありふれていますので不思議なことではありません。

ゲーム言語研究

これも長らく構想がありながらなかなかアウトプットできていなかったものをようやく公開できました。

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ほんとうはもっと実際の自然言語の数の形態論辺りについて色んな言語を紹介しながら書くというのが理想だったのですが,力量不足でした。

スポーツ(オリンピック)

今年はオリンピックがあったのでスポーツについても色々書きました。中でも下記の記事に書いたように,その後の検証や振り返ること,思い出すことが重要ではないかと思います。

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あと個人的にオリンピック関連で改めて取り上げておきたいのは下記の記事でしょうか。

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研究・教育

オンライン授業

今年もコロナ禍下の授業はなかなか厳しかったです。来年も今のところあまり希望は持てませんね。いわゆるハイブリッド授業を本格的にやりました(コロナ禍前も非常勤で少し経験あり)。

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そのほか

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子育て・生活

今年は保育園が休園にならなくてほんとうに助かりました。一斉休園はなかったものの,個別には感染者が出て休園になったところも多かったようですので。

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ブログ

冒頭にも書いたように,週刊はてなブログへの寄稿は大変ありがたくまた貴重な体験になりました。記事にも書いたように依頼が来てブログ開始15周年に気付いたというキャラとかではなくほんとうにずぼらなブロガーです。

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noteで書く人はほんとうに増えましたね。宣伝くらいには使った方がいいのかな…と思いつつ,今のところ書く予定はありません。

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Notionに関する記事は継続的にアクセスがあります。書いたもの以外にもいくつか記事のアイディアはあるのですがまだ形にできず。

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付けてはみたものの,なかなか…

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学術的な文章を書く場としてのはてなとnote

たしかに話題としても登場する人を見ても「はてな」っぽいなあと思う。

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いちおうそこそこ長くはてなでものを書いたり書かれたものを読んだりしている身としてはこういうのだけが「はてな」ではない(なかった)よ,と言いたくなったんだけれども良く考えれば昔からこういうのこそ「はてなっぽい」とされていたのかもしれない(あるいは「村」)。

はてなにもいろんな顔があって,技術系や学術系の人がけっこう書いてるっていう認識がかつてはあったと思うんだけど,今どうなんすかね。今はいろんな場や媒体があるので以前より分散してるのは確実なんだろうけど。

ブログ書こうかなと思って15年くらい前に自分がはてなダイアリーを選んだのは,周りの大学院生が何人かはてなダイアリーで書いてて,読み手としても確かに学術的な文章をはてなでよく見かけるなって思ったから

で,今そういう媒体はやっぱりnoteかなという印象が強い。少なくとも自分が見る範囲だと,「長めの専門的な文章を書くことにしました」っていう人が選ぶのはnoteが多いかな。それをまずTwitterで知るってのが今っぽいんですかね。noteがうまいなあと思うのは「noteはブログじゃない」っていう立ち位置(実際どうかというのとはまた別の話)。選ぶときも「noteにするかブログにするか」みたいな感じだし,はじめる人も「noteでブログをはじめました」じゃなくて「noteをはじめました」って言う。あ,でも今も学術的な文章,記事が読める面白いブログ,はてなにもまだまだありますよ。

研究者や専門家は長めの文章書きたいってなる人の割合が比較的多いだろうけど,もともと数がそんなにいるわけではないから,存在感的な話だとあまり話題にならないのは自然かな。あと職業柄慣れてるとは言ってもやっぱり長いの書くのは大変だし。

自分の場合,このブログをはじめてたぶん一番学術的に情報発信してるなあと思う記事がさいきん書いた下記のもので,

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ほかにもまだまだ書いてみたいこと,書けそうなことはあるんだけどどれくらいのペースで続けられるかはぜんぜん分かんないっすね。

関連

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体験談や失敗談の共有

下記の記事に対して「失敗談の共有は大事」というコメントがあって,それには強く同意します。ただ反応が全体として好意的なのは,こういう方が振り返り的にまとめてるからということはないのでしょうか。

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失敗談の共有ってメンバーが限られている場でもけっこう難しいことがありますが,webのようなオープンな場だと(特に話題になればなおさら)馬鹿にしたり罵倒する人がけっこうな確率で出てきますよね。

この方が書いている体験の部分と同じようなことを初心者と呼ばれるようなまだ経験が浅い方がwebに書いたとして,同じようにとまではいかなくてもある程度歓迎されるのかということを考えると私は今のwebにはあまり期待が持てません。ただ私は登山はやりませんので登山関係のコミュニティではそういう場が形成されているということを知らないだけなのかもしれません。

ちょっと話が変わります。以前,まったく別の話題で「体験談や具体例の話が大事でwebにはもっとそういうのが必要」というのがちょっと盛り上がってるのを見たことがあって,確かその時はコメントも付けなかったんですが,私が思ったのは「いや,体験談も具体例の話もwebにけっこう書く人いるけど注目したり取り上げたりしてないだけでしょ」ということでした。良い記事だと思ってブクマしてもその後ぜんぜん話題にならなかったり,検索して見つけた良い記事がやっぱり話題になった形跡がなかったりといったケースはけっこうあります。

繰り返しになりますが,失敗したケースも含め体験談や具体例のことを記録したり公開するのが大事ということには強く同意します。実際,私がブログやTwitterに何かを書く時の動機のかなりの部分を占めます。

でも,今のwebは(特に失敗した)体験談や具体例の共有を推奨したり後押ししたりする場をあまり提供できていないのではないでしょうか。あ,でも失敗談に関しては増田(はてな匿名ダイアリー)はそのうちの1つですかね。匿名だから?

私自身も時々書きはするものの,育児関係とさいきんはCOVID-19関係ではほかの場で見たネガティブな反応を思い出してあまり詳細を書けないことがあります。記事をお蔵入りにしたことも(育児は育児ネタってだけでネガティブなコメント付ける人いますしね)。実名を出しちゃってるので,身近な人,特に家族に迷惑がかかるのを考えちゃうということもあります。